2020年11月7日(土) 5回阪神1日

 京都競馬場改修のため、今年は阪神競馬場で行われたファンタジーSは1番人気のメイケイエールが優勝。これでデビューから3連勝とし、小倉2歳Sに続き重賞は2勝目。武豊騎手はファンタジーS4勝目。武英智調教師はファンタジーS初勝利となりました。

 レースは小倉2歳Sでも逃げたフリードが今回もハナを叩き、サルビアとラヴケリーが並んで2番手で前半の3Fは34.1。ここまでは開幕週を考えると特別速くはありませんが、そのあともラップは落ちず1000m通過56.6はさすがに速く、これでフリードとサルビアは厳しくなったようです。

 勝ったメイケイエールはスタート直後にバランスを崩して中団からになりましたが、すぐに行きたがる仕草を見せたのはこれまでの2戦や調教時と同じ。3角で先行3頭の直後まで行ってしまいました。4角手前で落ち着きましたが、武豊騎手がレース後に「本当なら厳しいレースになるはず」とコメントしているように、これは失速するパターン。それでも押し切れたのですから、能力の高さで何とかしたということでしょう。レコードタイムはペースや馬場による影響が大きく、この時計だけで評価を上げるのは少し違うような気もします。実績的には阪神JFでも本命級ですが「能力は高いですが、明確な課題があるので、そこですね」と武豊騎手が語る課題の克服は簡単ではないと感じるだけに、今後は調整方法も含めてメイケイエールに変化があるかに注目です。

 オパールムーンは札幌の新馬戦を勝って以来、3カ月ぶりのレース。初の当日輸送でも落ち着きがあり、馬体も12㌔増えたのはいい傾向でした。行き脚がつかず最後方からになりましたが、直線で大外に出すと坂のあたりから一気に前を交わして2番手浮上。上がり3Fは最速の33.5。楽ではない条件だったことを考えると先々が楽しみ。

 ラヴケリーは勝ち馬ほどではなくても行きたがっていて、展開も厳しかったことを思うとよく③着に粘ったと言えます。ペースが落ちると折り合いを欠いてしまいそうなので、ハイペースが今のこの馬には良かったのかもしれませんが、能力の高さを見せました。

 オプティミスモはダッシュがひと息で後方から。大外枠でしたが、ラチ沿いで脚をためることができたのが大きく、最後も内からラヴケリーに肉薄。2戦連続、人気薄での好走。

 3戦無敗の九州産馬ヨカヨカは3角過ぎからメイケイエールを見る形。4角でその外へ出して追撃態勢に入りましたが、そこからの伸びがひと息。大崩れしていませんが、今回の走りを見るとベストは1200mかもしれません。

 3番人気サルビアは⑩着に大敗。連勝した2戦とは前半のペースが違い、脚がたまらず。4角では逆手前にもなっていて早々に脱落。末脚を生かす形なら見直せそうです。

 

text by 石井大輔

 

 

 

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