6月21日に東京競馬場で行われた第25回GⅢユニコーンS(ダ1600m・3歳・別定・曇り・稍重馬場)はカフェファラオ(単勝1番人気)が優勝。アメリカ3冠馬アメリカンフェローの産駒が無傷のまま重賞制覇を成し遂げた。しかも、後続を5馬身引き離し、レースレコードのおまけつき。鞍上は短期免許で来日中のD.レーン騎手。管理するのは美浦・堀宜行調教師カフェファラオは米国・P.ポンパさんの生産馬。馬主は西川光一さん。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

【展開・ペース】 ダートコースは稍重のコンディション。スタート後、レッチェバロックがスピードの違いでハナを奪って前半の半マイルが46秒1というハイペース。逃げたレッチェバロック、これを追いかけたサンライズホープが掲示板に載れず、馬群に沈む中で、2番手追走から横綱相撲で抜け出したカフェファラオ。まさに圧巻の走りでした。

 

 

仕上げのレベルを上げて圧勝

【レース分析】 2月のヒヤシンスSでは冬毛が出て、今ひとつ見栄えがしなかったカフェファラオ。今回は仕上げのレベルを上げて馬体の張りや毛ヅヤは休養前より良く、申し分のないデキ。いくらかうるさい面を見せていましたが、これはきっちりと造ってきた分でしょうね。レースはスタートを決めた時点で勝負あり。速いペースでしたが、手応えは楽。4コーナーを回り切ると、ラスト300メートル付近まで追い出しを待つ余裕があり、仕掛けるとあっという間に後続を引き離して5馬身差をつけました。1分34秒9という勝ちタイムは堂々のレースレコード。文句なしの内容でした。

 

カフェファラオの4代血統表

 

「今日はいいスタートを切れましたが、すぐに2番手につけるということは考えていませんでした。ただ、内の馬もスピードを出していったことで、行くまでにエネルギーを使ってしまいましたね。ただ、2番手につけてからはペースが落ち着いたので、そこからは自分のリズムで運ぶことができました。コーナーから直線にかけてのリズムがとても良くて、逆にリラックスし過ぎるぐらい。最初に脚を使っていた分、終いが心配でしたが、残り300mからの反応が素晴らしかったですね。最後までしっかりと脚を使ってくれましたし、それだけに本当にいい馬です。使う毎に成長していますし、まだポテンシャルは底を見せていません」D.レーン騎手。

 期待に違わぬ走りで無傷の3連勝を達成。ダートでは国内の同世代に敵なしと言えるパフォーマンスでした。レース後、大井競馬場で行われるJpnⅠジャパンダートダービーに登録したことが発表されたカフェファラオ。またGⅢユニコーンSは9月5日に順延されたアメリカのGⅠケンタッキーダービーの出走馬選定レースにも指定されており、秋は本場の競馬の祭典にチャレンジするのか、今後の動向から目が離せません。

 

 

直線勝負に切り替えたデュードヴァン

 デュードヴァンは馬体に無駄肉がなく、歩様もスムーズ。気配の良さが目を引きました。スタート直後、最内枠からポジションを取りに行く格好を見せましたが、速い流れを考慮し、切り替えて後方待機策を選択。鞍上の意のままに動けるのがこの馬の長所。直線に賭けていい脚を使っていますし、③着馬には0秒3差をつけましたが、今回は相手が悪かったですね。

 ケンシンコウは、まだ気性に難しさがあり、テンションは高め。パドックではよく見せないんですが、実戦に行って良さが出るタイプですね。結果的にハイペースとなって展開がハマった形ですが、一気に相手が強化された中で③着に食い込んだのは立派。道中は中団の外目を追走していたサンダーブリッツ、キタノオクトパスが④⑤着。レッチェバロックはいい手応えのまま直線に向きましたが、勝ち馬に並ばれると抵抗できず。今日も非凡なスピードは示しましたが、現状、マイルは少し長いのかもしれませんタガノビューティーは向正面で躓くアクシデント。これによりリズムが乱れ、直線でも伸びあぐねてしまいました。参考外と考えていいでしょう。

 

 

                                 text by 京増 真臣

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

【データ泣き笑い】

〇OP特別、1勝クラス組・・・勝ったカフェファラオ、②着デュードヴァンはともに前走でOP特別に出走して①着。連対条件を満たしており、《結論》で推奨した馬連が的中した。問題は➂着に入ったケンシンコウ。この馬は1勝クラス組だが、前走は7番人気と上位人気に支持されての勝利ではなかったのだ。そのケンシンコウは前走で0秒2差をつけて勝っていた。そこで1勝クラス組に関しては前走で0秒2以上の差をつけるか、1、2番人気に支持されて勝っていれば狙えるというように条件を見直したい。18年、19年に続いて1勝クラス組の伏兵が➂着に食い込んで3連系馬券で高配当を演出。来年以降も狙い目になる。

〇海外・交流重賞組・・・サウジアラビアに赴いて前走を戦ったフルフラットは⑥着。やはり海外帰りで好走するのはなかなか難しい。また前走、交流重賞・兵庫チャンピオンシップで⑥着だったマカオンブランは⑭着。前走が交流重賞なら連対を果たしているような実力馬でないと狙いが立たない。

 


 
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