11月23日に東京競馬場で行われた第25回GⅢ東京スポーツ杯2歳S(芝1800m・2歳・馬齢重量・曇り・良馬場)はダノンザキッド(単勝1番人気)が優勝。昨年の勝ち馬はのちに無敗のまま三冠を達成するコントレイル。出世レースを快勝し、クラシック候補に名乗りを挙げた。騎乗した川田将雅騎手、管理する栗東・安田隆行調教師とも当レースは初勝利。ダノンザキッドは北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は㈱ダノックス。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

【展開・ペース】 レインフロムヘヴンが内のタイトルホルダーを交わして先頭。その後はリードを広げていきます。ただ、1000m通過は60秒5と落ち着いた流れ。結果は離れた2、3番手を進んだ2頭がワンツー。レインフロムヘヴンにとっては粘り込みが叶うペースでしたが、中1週だったこともあって、いつも以上にうるさく、今回に関しては自滅してしまった印象です。

 

▲パドックを歩くダノンザキッド(撮影:yu~kun)デビュー戦よりも馬体がグンと成長していた

 

来春が楽しみになる勝ちっぷり

【レース分析】 ダノンザキッドは5カ月ぶりの実戦で馬体重はプラス24キロ。いくらか体は立派に映りましたが、馬体増の大半は成長分でしょう。3番手で折り合いに専念。パドックでは発汗が目立ちましたが、レース運びは非常にスムーズ。メンバー最速の上がりをマークし、直線に向くと楽に抜け出して完勝でした。今回に関しては相手に恵まれた面があり、まだまだ能力を測りづらいですが、休み明け、初東上、左回り、上がり勝負と初モノ尽くしの中での勝利。また賞金を加算できたことで、ローテーションも組みやすく、来年の春には、更にパワーアップした姿でターフに戻ってくることでしょう。

 

ダノンザキッドの4代血統表

 

「体が大分増えていたのと、テンションが高かったので、そのあたりに気をつけてどういうレースをやってみようかと思っていました。攻め馬の感触以上にいい背中で走れますし、それがこういう走りにつながったのだと思います。前半は力みながらになりましたが、よく我慢してくれましたし、いい内容で直線を向くことができました。時計は出ますが、乗り味が素晴らしいというわけではなかったので、競馬でどのような走りをするのか楽しみにしていました。まだ課題ばかりですが、これから良くなっていくのは間違いないと思うので非常に楽しみです。この先ますますこの馬らしく成長していって、コントレイルのような馬になってくれることを期待しています」川田騎手。無敗の三冠馬の名前を挙げたあたりはクラシックを意識できる器だと感じたからでしょう。

 

 

センスのいいタイトルホルダー

 タイトルホルダーは当日の馬体重こそ470キロですが、馬っぷりが良く、弾むようなフットワーク。こちらも好素材ですね。デビュー戦は展開に恵まれて逃げ切っただけに評価に迷いましたが、無印にしてしまったのは失策でした。離れた2番手で、理想的なレース運び。勝ち馬以外の追い上げは退けて②着を確保しました。ジュンブルースカイはマイナス10キロ。初東上で体重を減らし、体は淋しく映りましたが、脚取りは軽快。血統、素質の良さは感じさせました。ダノンザキッドをピタリとマークし、直線はしっかり脚を使いましたが、③着まで。今日に関してはスローペースでしたからポジション取りの差も出てしまいました。

 

                          

text by 京増 真臣

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

【データ泣き笑い】

〇前走クラス・・・好走馬の前走を見ると、勝ち馬は新馬①着(0秒5差)、②着馬は新馬①着(0秒2差)、③着馬はOP特別②着。いずれも連対条件をクリアした馬が馬券に絡んだ。

〇レース間隔・・・前走が7月以前という馬の優勝は1997年まで遡っても不在。裏を返せば、ダノンザキッドの勝利は常識を覆す快挙と言える。潮目が変わったと見ることも可能だが、そうそうブランク明けで勝利するような馬が出現するとは思えず、基本的には前走が8月以降の馬を狙うのがベターだろう。

 

 

《東京スポーツ杯2歳S 2015-19》

 

 


 
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