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第55回 フィリーズレビュー 回顧

2021年3月14日(日) 1回阪神10日

 快晴、良馬場で行われた今年のフィリーズレビューは単勝8番人気のシゲルピンクルビーが優勝。騎乗した和田竜二騎手、管理する渡辺薫彦調教師ともにこのレースは初勝利です。

 レースはポールネイロンがハナにこだわり、前半の600mが33秒7のハイペース。ただ、先行馬と内を通った馬が有利な馬場状態を思えば、少し速いかなと思うくらいのもの。中団、後方の外を通る馬には厳しい展開になりました。

 勝ったシゲルピンクルビーは好スタートから3列目の内に収まると、あとは4角まで動かず。徐々に外に持ち出し、直線では馬群の中ほどへ。スムーズに進路を確保し、ジワジワとでもしっかり伸びてゴール直前でクビ差抜け出しました。前走でGIを経験しているとはいえ、3戦目でこの立ち回りはレースセンスの高さからくるもの。本番の桜花賞に向けては、走法的に1ハロン延長をどう克服するかが最大のポイント。当日のテンションの高さにも注意したいです。

 ヨカヨカは3角で5番手につけて、あとは仕掛けのタイミングだけというスムーズな運び。直線ではしっかり反応して一旦は先頭に出ました。今回は勝ち馬を褒めるべきで、GI⑤着馬として恥ずかしくない走りを見せました。

 ミニーアイルはいつものように出遅れて後方からの競馬。4角では大外を通りましたが、この馬だけは厳しい展開でもグイグイと差を詰めてきました。2歳時は同じ舞台のファンタジーSが⑥着でしたが、今回で地力強化を示しました。

  アンブレラデートは折り合い重視で逃げ馬の直後に付け、直線半ばではラチ沿いから抜け出そうかという場面もありましたが、最後の坂で勢いが鈍りました。もう少し前半をリラックスして運べるようになれば更に上を目指せそうです。

 エルカスティージョはスタートは五分でも抑えて、前半はミニーアイルと同じくらいの位置。こちらは直線でリスクのある内めの進路を選択しましたが、詰まることなく追い上げられたのが大きかったです。ただ、キャリア1戦でしかも休み明けでしたので、先々が楽しみです。

 1番人気のオパールムーンは出遅れ最後方から最後は大外へ。結果は⑨着でしたが、上がり3ハロンはミニーアイルより0秒1速くてレース最速。多頭数の1400mでは少し忙しい印象です。展開に左右される脚質ですが、評価自体は落とせません。

 同じく評価を落とせないのが⑪着のエイシンヒテン。出遅れて3~4角の大外から追い上げる、一番ロスが大きい立ち回りになりました。先行力が武器なので今回は参考外です。

 

text by 石井大輔

 

 

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。