2021年3月27日(土) 2回阪神1日

 今年も頭数は落ち着きましたが、素質馬が揃った毎日杯。勝ったのは単勝2番人気のシャフリヤール。4年前に勝ったアルアインが全兄にいる血統で、兄弟制覇となりました。騎乗した川田将雅騎手は2015年のミュゼエイリアン以来の2勝目。管理する藤原英昭調教師はこのレース初勝利です。

 レースはウエストンバートが逃げて前半の1000mが57秒6。これを見た瞬間はハイペースと思いましたが勝ちタイムの1分43秒9、上がり46秒3‐34秒4からすると上位4頭にとっては平均ペースだったと言えます。
 シャフリヤールは出足がひと息でしたが、川田騎手が促して4番手を取りました。前半から避ける馬が多い内めを通り、直線に入っても目前にいたルペルカーリアの内へ。最後はグレートマジシャンとのマッチレースとなりクビ差先着。アルアイン同様、高い持久力を示しましたが、シャフリヤールの方が切れもありそうなので今後が楽しみ。これで共同通信杯の②③着馬が重賞勝ち。エフフォーリアの評価が更に上がることとなりました。

 グレートマジシャンは前半で頭を上げて行きたがる場面がありましたが、あとはスムーズ。最後で競り負けたのは内外の差と、ゴール前で苦しくなったのか外にヨレたことあたりが原因でしょうか。戦前から懸念されていましたが、8㌔減で馬体の張りも前走時と比べるとひと息。それでもこれだけ走れるように能力の高さに疑いはありません。レース後に反動が出なければGIでも勝負になりそうです。

 プログノーシスは出遅れて最後方から。3角過ぎから先行集団との差を詰め始め、残り600m付近ではシャフリヤールの直後。追われてからも反応良く伸びて、グレートマジシャンが前に入ってきても臆することなく3番手に浮上。キャリア1戦、中1週の臨戦でレコード決着と厳しい条件でこの結果は、将来有望と思えるものです。

 ルペルカーリアは2番手につけ、逃げたウエストンバートが直線入り口で後退したので先頭に。そこから踏ん張れなかったのは現状での決め手の差が出た印象です。「こんな馬場が得意ではない血統ですから」とこの血統をよく知る福永騎手のコメントから、もう少し軟らかい馬場の方がいいようです。

 

text by 石井大輔

 

 

 

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