3月27日に中山競馬場で行われた第69回GⅡ日経賞(芝2500m・4歳以上・別定・晴れ・良馬場)はウインマリリン(単勝4番人気)が内ラチ沿いを通って抜け出し、優勝。騎乗した横山武史騎手、管理する美浦・手塚貴久調教師とも同レースは初勝利。ウインマリリンは北海道新冠町・コスモヴューファームの生産馬。馬主は㈱ウイン。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

 

【展開・ペース】 ジャコマルが行く気を見せると、もう1頭の先手候補ダンビュライトは折り合いを優先し、2番手に控えました。前半3ハロン通過が37秒5~5ハロン通過も62秒9とゆったりした流れ。馬場は荒れ気味でしたが、ラスト3ハロンは11秒台のラップが並び、先行タイプ、馬場の内で立ち回った馬に有利な展開となりました。

 

 

理想的な立ち回りで牡馬を一蹴

【レース分析】 勝ったウインマリリンは互角のスタートからダッシュも速く、好位の内にポジションを取る理想的なレース運び。2周目の4コーナーでスパート態勢に入ると内ラチ沿いを突いて一気に抜け出し、そのまま後続の追撃を振り切りました。

「自分にとって初めて重賞を取らせてもらった馬。能力が高いことは分かっていましたから、いい結果を出したいと思っていました。今日は内枠を引いていましたし、ジャコマル、ダンビュライトの2頭が行くと思って、その後ろで折り合えればと考えていました。いつもハミを取る馬なので道中はしんどかったですが、終いはよく伸びてくれましたね。前で粘るタイプですから最後は、残ってくれと思いながら追っていました。デビュー当時からいい馬だと思っていましたし、このまま順調にいってくれるといいですね。これからもっといいレースができるように頑張ります」とレース後に横山武史騎手がコメント

鞍上も思い描いていた通りの騎乗ができたようですが、それに応えられる馬の操縦性の高さがセールスポイント。高水準だった昨年のGⅠエリザベス女王杯で④着だった点からも、牡馬の一線級が相手でも互角に戦えることは戦前から予想できましたし、今後の活躍も疑う余地はありません。

 

▲ウインマリリンの4代血統表

 

またも惜敗カレンブーケドール

 1番人気に支持されたカレンブーケドールは、またも惜敗のGⅡ②着。道中は勝ち馬の直後に位置しながら前を捉えらず、勝ち切れないイメージを払拭できませんでした。ただ、同じような結果でもGⅠオークス②着、GⅠジャパンカップ②④着に比べると、内容的にも少し物足りなかった印象を受けたので、個人的には東京コースがベストと考えています。③着のワールドプレミア(2番人気)はスタートが今ひとつでしたが、道中は上々の行きっぷり。勝負どころから馬群の外を回って追い上げており、上位馬とはコース取りの差もありました。最後まで脚を伸ばしていた点からも、長期休養明けを使われながらの復調は明らかで、順調ならGⅠ天皇賞・春でも首位候補となるでしょう。

 ④着ヒュミドール(8番人気)も道中は馬群の内で①②着馬の更に後ろの列。3コーナーで他馬と軽く接触しましたが、直線で外に持ち出すと、③着馬を追うように脚を伸ばしてきました。位置取りを考慮すれば上位馬と力の開きはなく、立ち回りひとつで重賞初Vにも手が届きそうです。私が紙面で◎に推したラストドラフト(3番人気)は⑧着。結果は案外でしたが、上がり3ハロンの数字は①~④着馬と遜色なく、レースの流れに乗れなかったことがすべて。器用さに欠ける弱みが出た印象なので、地力勝負になった際は巻き返しが可能でしょう。

 

 

 

                          

text by 五十嵐 友二

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

【データ泣き笑い】

〇前走クラス・・・連対馬の前走を見ると、勝ち馬はGⅡ⑥着(0秒4差)、②着馬はGⅠ⑤着(0秒6差)。どちらも連対条件を満たしていた。

〇前走距離・・・今年は前走2400m組が不在。結果は前走2200、2500m組が連対。前走が2000m以下の距離だった3頭は掲示板にすら載れなかった。

〇馬齢・・・①着4歳→②着5歳。7歳馬2頭は⑤⑫着に敗れた。

〇種牡馬・・・不振と記したディープインパクト産駒だが、今年は②③着。来年は評価を下げるのを避けたい。

☆牝馬・・・牝馬は6頭出走して[1・1・1・3]。今年はワンツーを決めた。ちなみに当日、単勝4番人気以内であればワイド率は100%。来年以降、上位人気に支持されている牝馬がいれば狙い目に。

 

 

 

《日経賞 2016-20》

 

 


 
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