2月13日(日曜)に東京競馬場で行われた第56回GⅢ共同通信杯(芝1800m・3歳・別定・雨・稍重馬場)はダノンベルーガ(単勝3番人気)が直線で一気に抜け出して優勝。騎乗した松山弘平騎手、管理する美浦・堀宣行調教師とも共同通信杯は初勝利。ダノンベルーガは北海道安平町ノーザンファームの生産馬。馬主は㈱ダノックス

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

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【展開・ペース】 主導権を握ったのは戦前の見立て通りビーアスドニッシド。極端にペースを落とすことはありませんでしたが、前半1000m通過は61秒1。ゆったりとした流れになりました。

 

雨を切り裂きクラシック候補が躍動

【レース分析】 ダノンベルーガ(単勝3番人気)はハーツクライ産駒らしく馬体にボリューム感があり、滑らかな身のこなし。落ち着き払って、堂々と周回。気配の良さが目立っていました。ゲートが開いてからの1完歩目こそ今ひとつでしたが、二の脚を利かせて中団を追走。初戦よりも反応や手応えが良くなっており、渋った馬場も苦にしていませんでした。直線に向くと、力で捩じ伏せるように抜け出して快勝。クラシックの主役候補に名乗りを挙げました。これで皐月賞がより難しくなりましたね。2歳GⅠを勝ったドウデュースキラーアビリティ。それに東京スポーツ杯2歳Sの覇者イクイノックスそしてダノンベルーガも第1冠に出走してくるようなら当然、有力候補に。皐月賞は予想のセンスが問われる一戦になりそうです

 

ダノンベルーガの4代血統表

 

「返し馬では元気が良くて、乗り味がいいという印象を受けました。いい末脚を持っているので、それを生かすレースがしたいと思っていました。人気馬を見ながらためて運べましたし、直線では突き抜けてくれました。新馬戦で石橋脩騎手が競馬を教え込んでくれていたので乗りやすかったです。重い馬場でも関係なく伸びてくれましたが、良馬場ならもっと切れそうな感じがします。これから大きな舞台でも楽しみです」とレース後に松山弘平騎手はコメントしている。

 

 

しっかり能力を発揮したジオグリフ

 ジオグリフ(1番人気)はパドックでいつも以上にテンションが高く、判断に迷いましたが、上手なレース運びで、②着と結果も出たわけですから、うるさい面を見せても問題はなしと捉えて良さそう。勝ったダノンベルーガより1キロ重い57キロを背負っていましたが、1馬身半という着差を考えると、現段階ではダノンベルーガの方が上だと見ていいでしょう。ビーアスドニッシド(8番人気)もパドックで気が入っていましたが、気難しい面がありながらも、レースに行けば能力を発揮する実戦型。展開の恩恵はあったにせよ、折り合い面を考えれば現状では逃げる形がベスト。懸命に粘って③着を死守しました。

 ダノンスコーピオン(4番人気)は馬体の張りが若干物足りなかったものの、関東圏へ輸送しても落ち着きがあって、仕上がりは悪くありませんでした。ダノンベルーガをマークするようなポジションで運び、直線勝負に賭けましたが、渋った馬場が影響したのか伸びを欠きましたね。今日に関しては、状態面よりも馬場悪化が良くなかったように感じました。

 

 

 

 

          text by 京増 真臣

 

 

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

【データ泣き笑い】

〇前走クラス・・・勝ち馬は前走で1番人気に支持されて新馬勝ち。ただ、距離が2000mだった分、割り引いたのが裏目に。来年以降、新馬組は芝1800、2000mで1番人気で勝っていれば連対可能と条件を変更したい。

〇キャリア・・・近年は無駄なレースを使わずにGⅠへというローテーションが主流に。19年以降はキャリア2、3戦の馬が活躍していたが、ついに今年はキャリア1戦のダノンベルーガが優勝を果たした。今後も当レースでは1戦1勝馬が重賞好走馬を蹴散らすシーンが多く見られるかもしれない。

 

 

 

《共同通信杯 2017-21》

 

 

 

 

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