2月6日(日曜)に東京競馬場で行われた第72回GⅢ東京新聞杯(芝1600m・4歳以上・別定・曇り・良馬場)はイルーシヴパンサー(単勝4番人気)が大外から鋭く差し切って優勝。騎乗した田辺裕信騎手、管理する美浦・久保田貴士調教師とも東京新聞杯は初勝利。イルーシヴパンサーは北海道安平町ノーザンファームの生産馬。馬主は草間庸文さん。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

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【展開・ペース】 ディアンドルが早めに引き、ホウオウアマゾンが前回と同様に控えたことで、ブリンカーを着用したトーラスジェミニがハナを切りました。前半の半マイル通過は46秒4。馬場を考慮しても平均ペースと考えていいでしょう。

 

▲パドックを歩くイルーシヴパンサー(撮影:yu~kun)重賞でも気配の良さは目立っていた

 

マイル戦線に新星が誕生!

【レース分析】 イルーシヴパンサー(単勝4番人気)は馬体の張りが上々。パドックの外めを勢い良く、気迫溢れる姿で周回。全身を無駄なく使い、動きにも弾力があり、重賞メンバーに入っても抜けていい状態に映りました。スタートは五分に切りましたが、スッと控えて後方の2番手。差し・追い込みタイプに有利な展開ではありませんでしたが、4コーナーで迷わず、外へ持ち出すと、豪快に突き抜けて快勝。レースの上がり3ハロンを1秒2上回る末脚は圧巻でした。勝ちっぷりはインパクト十分。マイル路線の主役候補に躍り出たのではないでしょうか。

 

イルーシヴパンサーの4代血統表

 

「もともと3歳の春は皐月賞に出走していた馬ですが、古馬との対戦は1勝クラスからの再スタートでした。成長を感じていましたが、またオープンに入ってどれだけやれるかと思っていました。リズムを一番に考えていたので、淡々とペースが流れるなかでも深追いせずについていきました。直線ではあっさり差し切ってくれたように、こちらがびっくりするくらいの脚でした。以前はカッとする気性が今は落ち着いてレースに臨めるようになっています。これから一線級との対戦が待っていますし、本当の勝負はこれからです」とレース後に田辺裕信騎手はコメント。

 

 

敗戦も高く評価したいファインルージュ

 ファインルージュ(1番人気)はいくらか体は立派に映りましたが、馬体増の大半は成長分。中団で脚をためて直線勝負に賭けましたが、馬群を抜けるまでに、少し手間取りましたね。それでも、牡馬相手に55キロを背負って②着ならこの先の視界は良好。暖かくなれば、さらに体調も上向いてくるでしょう。カラテ(2番人気)は大型でも引き締まった造りで、動きの方は迫力満点。デキは申し分なかったですね。②着馬と同様に馬群を捌くのに手こずりましたが、結果的に瞬発力比べでは少し分が悪かった印象も。④着には2馬身差はつけており、昨年と同等か、それ以上のパフォーマンスは発揮しています。単純に上位2頭が強力だったと考えていいのではないでしょうか。

 

 

 

 

             text by 京増 真臣

 

 

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

【データ泣き笑い】

〇前走クラス・・・勝ち馬は前走、11月に行われた芝1800mの準OPを勝利。②着馬は前走がGⅠ②着。来年以降、前走準OP組に関しては前走の時期で取捨を行わない方が賢明だろう。

〇血統・・・勝ち馬はハーツクライ産駒。当レースとの相性の良さを示す形になった。キングカメハ産駒は2頭出走して⑨⑫着。3番人気に支持されたホウオウアマゾンが馬群に沈んだようにこちらはたとえ上位人気でも疑ってかかりたい。

 

 

 

《東京新聞杯 2017-21》

 

 

 

 

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