2月19日(土曜)に東京競馬場で行われた第72回GⅢダイヤモンドS(芝3400m・4歳以上・ハンデ・曇り・良馬場)はテーオーロイヤル(単勝2番人気)が3番手を進み、直線で堂々と抜け出して優勝。騎乗した菱田裕二騎手、管理する栗東・岡田稲男調教師ともダイヤモンドSは初勝利。テーオーロイヤルは北海道浦河町三嶋牧場の生産馬。馬主は小笹公也さん。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

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【展開・ペース】 グレンガリーが主導権を握り、後続を引き離しての逃げ。2番手にアンティシペイトが陣取り、少し後ろにゴーストテーオーロイヤルが続く形。最初の1000m通過タイムは61秒6、2000mまでの区間は63秒3と流れは極端に緩んではいませんが、離れた2番手以降はスローペースと考えて良く、ある程度前で運んだ馬に有利な展開。テーオーロイヤルの位置がウイニングポジションだったと見ていいでしょう。

 

▲パドックを歩くテーオーロイヤル(撮影:yu~kun)

 

長距離界に待望の新星が登場!

【レース分析】 展開・ペースの項目で記したようにテーオーロイヤル(単勝2番人気)はウイニングポジションを進むことができました。ただ、②~⑤着馬がコンマ2秒差の中にひしめき合うのを尻目に2馬身半突き抜けました。最後は鞍上が後ろを振り返る余裕を見せており、展開利だけでは片づけられない上々の勝ちっぷり。性能が一枚違った印象を強く持ちました。

 

テーオーロイヤルの4代血統表

 

「この馬が一番強いと思っていました。レースで掛かることがないのが強みで、この距離でも道中リラックスして走れましたし、いい形で直線に向くことができました。直線半ばでも脚いろが衰えなかったので、そのあたりでこれは勝てるだろうと思いました。本当にポテンシャルの高い馬です」とレース後に菱田裕二騎手はコメント。準オープン勝ち直後、しかも初めての距離にも難なく対応しての完勝劇。またクラシックディスタンスでも高いパフォーマンスを発揮することができます。天皇賞(春)を目指すならもちろん、有力候補になるでしょうが、今後、どのような路線を歩むのか注目が集まりますね。

 

 

活路見出したランフォザローゼス

 ②着に食い込んだのはランフォザローゼス(11番人気)。確かに勝ち馬が早めに前を捉えて抜け出した分だけ差しタイプが浮上できた面はありますが、初めて起用された3000mオーバーの長丁場で新味を発揮しました。エアグルーヴに遡る上質な母系の出身であり、叔父には2010年のダイヤモンドSを勝ったフォゲッタブルの名前があります。自身も3歳時は青葉賞でハナ差②着があるように東京コースも向くタイプ。「最近はズブくなっているから長い距離は合うと思っていた」という田中勝春騎手の見立てもズバリと嵌まりましたね。トーセンカンビーナ(5番人気)は後方から追い上げてゴール寸前で③着に浮上。ステイヤーズSに続いて上位争いを演じました。2020年の天皇賞(春)で⑤着に奮闘した6歳馬ですが、まだまだ自慢の決め手に衰えは感じられません。

 

 

 ④着ヴァルコス(6番人気)は屈腱炎から復帰して今回が3走目。少し体は立派かなと感じましたが、脚を使って復調が見て取れました。1番人気ヴェローチェオロは勝ち馬を追うようにして伸びてきましたが、ゴール前では勢いが鈍って⑤着。スタミナは豊富ですが、じりじりと脚を使うタイプ。重賞で勝ち負けするにはもう一段階の鋭さUPが求められますね。

 

 

 

 

 

 

             text by 藤原 有貴

 

 

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

【データ泣き笑い】

〇前走クラス・・・勝ち馬は近年不振だった準OP組。また②着馬は前走、リステッド競走で1秒1差完敗から一変。ハンデ戦でもあり、あまり前走成績で取捨を選択するのは避けた方がいいのかもしれない。個人的に気になったのは3歳春に東京で行われる青葉賞でテーオーロイヤルは④着、ランフォザローゼスヴァルコスは②着に入っていた点。来年は青葉賞好走・健闘組を狙ってみても面白い。

〇血統・・・母父がダンスインザダークということで◎に推したヴァルコスは④着。惜しくも馬券には絡めなかったが、大崩れはしなかった。今後も同様の血統の馬には注意した方がいいだろう。

 

 

 

《ダイヤモンドS 2017-21》

 

 

 

 

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