4月3日に中山競馬場で行われた第53回GⅢダービー卿チャレンジトロフィー(芝1600m・4歳以上・ハンデ・晴れ・良馬場)はテルツェット(単勝3番人気)が素晴らしい伸びを見せて差し切り優勝。騎乗したM.デムーロ騎手、管理する美浦・和田正一郎調教師とも当レースは初勝利。テルツェットは北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)シルクレーシング。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

ウインカーネリアンは出走取消

 

 

【展開・ペース】 逃げ・先行タイプが揃った中で、ハナを奪ったのは長欠明けのマイスタイル。速いラップを刻んで先導し、前半800m通過は45秒6とハイペースに。今週から芝はA→Bコースに替わったのを考慮し、各ジョッキーの前に付けよう、いい位置を取ろうという意識が強かったですね。結果的に離れた後方に控えた①②着馬に展開がピタリと嵌まりました。

 

▲パドックを歩くテルツェット(撮影:yu~kun)

 

破竹の快進撃!重賞も制圧

【レース分析】 テルツェット(単勝3番人気)は馬体が6キロ減っていましたが、もともとが細身の牝馬。すっきりと映りましたが、あまり気になりませんでした。4コーナー手前から外を回って勢い良く追い上げ、直線に向くと鮮やかな差し切り。4連勝を決めて重賞タイトルを獲得。父ディープインパクトから素晴らしい瞬発力を受け継いでおり、初騎乗ながらそれを存分に引き出したM.デムーロ騎手の好騎乗も光りました。確かに53キロと最軽量のハンデではありましたが、骨っぽい牡馬を破ったわけですから今後、更なる活躍が期待できますね。

 

 

「初めて乗せてもらいましたが、馬を信じて乗りました。ラストまで動きが良かったし、思っていた通り、いい瞬発力を持っていますね。これで4連勝と能力はとてもあるので、この先が楽しみな馬ですよ。今日は引き上げてきた時にお客さんの暖かい声援があったのが嬉しかったですね。いつも応援、ありがとうございます」とレース後にM.デムーロ騎手はコメント。殊勲のM.デムーロ騎手はこの勝利がJRA通算1100勝目となった。

 

テルツェットの4代血統表

 

直線勝負が板についたカテドラル

 カテドラル(単勝4番人気)はホライゾネットを着用してパドックを周回。その効果か落ち着きがあったし、身のこなしの方も滑らか。結果的に勝ち馬とは位置取りの差、コース取りの差が出た形ですが、最速の上がり3ハロンをマークして②着確保。末脚勝負に徹する競馬が板についてきましたね。③着ボンセルヴィーソ(単勝5番人気)は年齢的にも変動は小さく、状態はいい意味で平行線。2番枠からトップスタートを決め、速い馬を行かせて好位で上手に脚を溜められましたね。直線は馬群から抜け出して首位争い。これで中山マイルの重賞では5戦して4度馬券圏内に。この条件は本当に得意ですね。

 

 

 マイスタイル(単勝12番人気)はハイペースで飛ばしながらも懸命に粘って④着。約1年ぶりだったことを踏まえれば、驚異的な走り。このあと無事にレースに使っていければ楽しみですね。

 

 

                          

text by 京増 真臣

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

【データ泣き笑い】

〇前走クラス・・・連対馬の前走を見ると、勝ち馬は準OP①着(東京)、②着馬はGⅢ②着(アタマ差)。勝ったテルツェットは東京での勝利ながらしっかりと結果を出した。準OP組に関しては前走のコースによる取捨は避けた方が賢明だろう。

〇ハンデ・・・前走から斤量が増えた馬は4頭出走して⑫⑬⑭⑮着。こちらは今後も継続して割り引く際のデータとして活用できる。さて、本命に推したウインカーネリアンは残念ながら出走取消となってしまったが、前走で準OPを勝利し、ハンデ53キロ(牡馬に換算すると55キロ)を背負ったテルツェットが勝利した。来年以降も同条件を満たした55キロの牡馬、53キロの牝馬は高い評価が必要だ。

 

 

 

《ダービー卿CT 2016-20》

 

 


 
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