7月17日に函館競馬場で行われた第53回GⅢ函館2歳S(芝1200m・2歳・晴れ・良馬場)は単勝3番人気に支持されたナムラリコリスが3番手から抜け出して優勝。騎乗した泉谷楓真騎手はこれがJRA重賞初勝利。管理する栗東・大橋勇樹調教師は函館2歳S初勝利。ナムラリコリスは北海道浦河町桑田正己さんの生産馬。馬主は奈村陸弘さん。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

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【展開・ペース】 スタート自体は8枠両馬の方が速かったのですが、ポメランチェが二の脚を利かせて先手を主張したため、2ハロン目が10秒4のハイラップに。前半3ハロン33秒7も多少、時計のかかった函館の芝コースにしては速めの数字。ポジション的には2列目が理想。好位で流れに乗った2頭のワンツー決着となりました。

 

経験を糧にして北の一番星に輝く

【レース分析】 本紙が◎に指名して、期待に応えてくれたナムラリコリス(単勝3番人気)は好スタートを決めて、内を見ながら好位を確保する理想的な立ち回り。それでも②着馬より外を回りながら、しっかりと伸びて押し切った内容は着順通りに評価するべきでしょう。

 

▲嬉しいJRA重賞初勝利となった泉谷楓真騎手。デビューからコンビを組むパートナーをステークスウィナーに導いた。

 

「理想的な形で運べました。仕掛けるタイミングがちょっと早くなってしまいましたが、よく凌いでくれましたね。道中は流しながらでしたから、距離が延びても大丈夫だと思います」とレース後に泉谷楓真騎手はコメント。若手騎手らしからぬ冷静な騎乗ぶりが光りましたが、中1週続きでも攻めを強化して臨んだ陣営の判断、当日の体重が2キロの僅かな減少と、それに応えた馬の体力、精神力も見逃せません。鞍上のコメント通り、距離延長に対応できれば、今後の2歳路線でも注目の存在となるでしょう。

 

ナムラリコリスの4代血統表 ジョーカプチーノ産駒のジョーマンデリンは函館芝1200mで2、3勝クラスを勝利。適度に時計のかかる洋芝の6ハロン戦はピッタリの条件。

 

センスの良さが光ったカイカノキセキ

 ②着カイカノキセキ(2番人気)はポイントと思われた距離延長に控える競馬で対応し、センスの良さを感じさせるレースぶり。単なるスピード型でないことを示せた点は大きな収穫で、少なくとも1400mまではこなせそうな印象を受けました。未勝利馬ながら③着に健闘したグランデ(10番人気)は好枠をフルに生かして、最内を突いた好騎乗が馬券圏内に食い込んだ最大の要因でしょうが、次走は自己条件に出走が可能ですから、当然マークが必要でしょう。

 

▲タイトなローテーションでも元気一杯!力強く伸びて押し切ったナムラリコリス

 

 そして今後に向けて強調しておきたいのは⑥着だった、もう1頭の未勝利馬トーセンヴァンノ(5番人気)で、直線でスムーズに馬群を捌けず、武豊騎手も「前の馬がフラフラして、追うに追えなかった。スムーズに運べていれば③着ぐらいは、と思わせる手応えだったので残念」とコメント。それでも、ゴール前の伸び脚は目につきました。一方、1番人気で⑦着に終わったポメランチェは同じ洋芝でも、時計の速かった札幌の芝コースとは勝手が違った印象。初戦で見せたスピードは非凡ですから、軽い芝に替わった時に、どんなパフォーマンスを見せるか、改めて注目したいと思っています。

 

                          

text by 五十嵐 友二

 

 

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

【データ泣き笑い】

〇東西所属・・・今年は関西所属馬のワンツー。ホッカイドウ競馬から参戦したラブミードールは⑪着に敗れており、地方所属馬が好走するのはやはり難しい。

〇レース間隔・・・勝ったナムラリコリスは中1週での出走だった。連闘で臨んだ2頭は④⑥着。中1週はOKでも連闘になると割り引いて考えるのがベターか。ただし、今年は未勝利馬が2頭も出走し、頭数も手頃。いつもの年とは異質であり、結果を鵜呑みにするのはどうか。

〇前走馬体重・・・勝ち馬は466キロ、②着馬は472キロとどちらも条件をクリア。1番人気ポメランチェを含め、条件に満たなかった小柄な馬は結果を残せなかった。

 

 

 

《函館2歳S 2016-20》

 

 


 
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