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第64回 阪神牝馬ステークス 回顧

2021年4月10日(土) 2回阪神5日

 ①着馬にヴィクトリアマイルの優先出走権が与えられる阪神牝馬ステークス。今年は12頭立てで行われ、単勝1番人気に推されたデゼルが優勝。騎乗した川田将雅騎手は2019年のミッキーチャーム以来となる2勝目。管理する友道康夫調教師はこのレース初勝利です。

 レースは予想通りイベリスの単騎逃げ。前半の35.1‐47.1に対して、上がりは44.9‐33.2。前半の方が約2秒遅いスローペースで、瞬発力勝負となりました。

 勝ったデゼルは出遅れて中団の後ろから。徐々に前との距離を詰めて直線へ。反応が早いわけではありませんでしたが、ジワジワと伸びて最後に右手前に替えるともうひと伸びして差し切りました。上がりが速くなっても外差しが利く馬場状態が追い風となった気はしますが、ヴィクトリアマイルに向けて1600mで結果を出せたのは大きいです。大敗したオークス以外は東京での勝ちっぷりも良く、本番が楽しみになりました。

 クビ差及ばず②着のマジックキャッスルはデゼルの内で道中を進め、最後は馬群に突っ込む形に。外をノビノビと走れた勝ち馬とは対照的に、狭いところを捌きながらで少し待たされる場面もあり、その分の負けで内容的には十分。桜花賞以来だった1600mにメドを立てて本番へ。14㌔減でも細くはなかったですが、次は東京で輸送減りを気にせず調整できる面でも上積みが見込めます。

 ③着にはドナウデルタ。3番手の内から1番枠をフルに生かす立ち回りで、一旦はラチ沿いから抜け出すかという場面も作りました。前々走のターコイズSは包まれて脚を余し、前走の愛知杯は2000mと敗因が明白で、巻き返しに成功。今後も条件が整えば重賞でも侮れません。

 プールヴィルは5カ月ぶり、プラス22㌔でも太くは見せず。中団で折り合いをつけて、最後もしっかり脚を使い勝ち馬から0秒1差。実績がない1600mでのこの走りは、今後に向けて選択肢が広がり、更なるステップアップを予感させるものです。

 昨年の桜花賞以来、1年ぶりの出走だったエーポスが大健闘の⑤着。大外枠で壁を作れず、前半で力んでいたことを思えば内容も濃く、反動さえ出なければ次走は期待できそうです。

 

text by 石井大輔

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。