2019年11月24日(日) 5回京都8日

 京都競馬場の最終レースとして行われた京阪杯は2番人気に推されたライトオンキューが快勝。鞍上の古川吉洋騎手にとって中央の重賞勝利は昨年5月の葵S以来。管理する昆貢調教師は函館記念のマイスタイルに続いて、今年の重賞2勝目となった。

 レースは予想通り、スプリンターズS②着以来で1番人気のモズスーパーフレアが逃げて前半の3ハロンは34秒2。他の有力馬は中団から後方に控える。3角過ぎでのアクシデントの影響を受けた馬が多く、モズスーパーフレアがそのまま逃げ切るかに思えたが、外から鋭く伸びるライトオンキューが1ハロン標あたりで先頭に立つと、そのまま押し切った。②着には馬群の間を割ってきたアイラブテーラーが入り、一旦は2番手に上がっていたカラクレナイは惜しくも③着。そのあとはアウィルアウェイ、リナーテと続き、モズスーパーフレアはラスト100mで失速して⑧着と敗れた。

 勝ったライトオンキューは3カ月ぶりでもマイナス6キロで好仕上がり。1歩目は速くなかったが、二の脚で楽に中団の内につけると、道中のアクシデントを幸運にも避けることができ、4角でもスムーズに馬場のいい外へ。最後も手応え通りに弾けてみせた。「勝つ時はこんなもの」の典型で恵まれた部分はあるが、短距離戦の平均ラップで②着に1馬身3/4差は大きな着差。今後はあまり実績のない高速馬場への対応が課題となる。

 負けた馬の中で目についたのは②着アイラブテーラーと⑥着のダイシンバルカン。前者は出遅れと3角過ぎで故障馬を避けた時のロスは痛かったが、馬群を捌いて前が開いてからの伸びは際立っていた。不利を受けながらの上がり最速は能力の高さを示すもの。初の重賞挑戦でメドを立てたどころか、更に上のレベルでもと思わせる内容。来年の高松宮記念に向けて楽しみな1頭が出てきた。

 後者は17番人気ながら不利な18番枠からリナーテにクビ差まで迫っての⑥着と大健闘。これまでの先行粘り込みから、ここ2走は差す競馬に転じての好走。7歳の秋にして進化している。人気になりにくいタイプなので、馬券的にも面白い存在。

 アクシデントの影響を大きく受けたアウィルアウェイ⑦着エイシンデネブも馬場や展開次第では、重賞でも通用しそうなところは見せた。

 モズスーパーフレアは自分の形に持ち込みながらも崩れてしまった。「どうしても今の京都の馬場では(行く馬には)厳しくなってしまいますね」と松山騎手が話すように、馬場くらいしか敗因が見当たらない。

 ファンタジストは3角で転倒して競走中止。急性心不全を発症し、死亡が確認された。昨年の2歳時には重賞を2勝。今年に入ってからはスプリングSで②着。秋はセントウルSでも②着と短距離路線での活躍が期待されていただけに、残念な結果となってしまった。

 

 

 

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