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第164回 天皇賞(秋) 回顧

 

 10月31日(日曜)に東京競馬場で行われた第164回GⅠ天皇賞(秋)(芝2000m・3歳以上・定量・曇り・良馬場)は単勝3番人気に支持されたエフフォーリアが外から抜け出して優勝。騎乗した横山武史騎手、管理する美浦・鹿戸雄一調教師とも天皇賞(秋)は初勝利。エフフォーリアは北海道安平町ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)キャロットファーム。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

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【展開・ペース】 トーセンスーリヤカイザーミノルが制してハナを切りました。前半1000m通過は60秒5とスローペース。戦前に予想していた通り、3強の争いになりましたが、各ジョッキーの思惑、そして駆け引きも勝敗を分けたポイントだったように思います。

 

 

無敗の3冠馬、2階級王者を撃破

【レース分析】 エフフォーリア(3番人気)はテンションが上がらず、堂々とパドックを周回。夏を越して馬体は一段と逞しくなり、心身ともに成長していました。道中は6番手を進み、前にグランアレグリア、そして後ろにコントレイル。最も動きづらい立場でしたが、横山武史騎手は若手ジョッキーとは思えない落ち着いた騎乗ぶり。エフフォーリアの能力を引き出し、スローペースでしたから②着コントレイルとの1馬身という着差は完勝と言っていいでしょう。以前は4歳秋が充実期というのが定説でしたが、育成技術が進歩した今は3歳時に完成する馬が多くなった印象を受けます。それだけに年長馬より軽い56キロという斤量は有利ですよね。

 

 

「ダービーのこともあったので、人生で初めて嬉し泣きをしました。コロナ禍の中、徐々に人数を増やして競馬ができていることに感謝しています。大勢のファンの前で勝てて良かったです。スタートのうまい馬ですし、器用なので、余計なことをせずに馬の力を信じて乗ろうと思っていました。理想的なポジションでしたし、インにこだわらず、力を信じて外を回してもいいと思って乗りました。2週連続でGⅠを勝たせてもらいました。タイトルホルダーもエフフォーリアもいい馬で、任せていただいて感謝しています。親子3代で天皇賞制覇というひとつの目標を達成できて良かったです」横山武史騎手はコメント。横山武史騎手が初めてJRA重賞を制したのが20年4月。そこから約1年半でGⅠは3勝目。今年の日本ダービーは悔し涙を流したはず。その敗戦を糧にし、今日は早過ぎず、遅過ぎず、仕掛けのタイミングがピタリと嵌まり、エフフォーリアと再びGⅠタイトルを獲得。コロナ禍に登場したこのコンビがこれからどんな走りをレースを見せてくれるのか。楽しみでなりません。

 

エフフォーリアの4代血統表

 

絞れて鋭く伸びたコントレイル

 コントレイル(1番人気)はディープインパクト産駒の瞬発力タイプ。前走の大阪杯のプラス体重は余計、余分なものだったのでしょう。今回は体を絞り、きっちりと造ってきましたし、身のこなしは滑らか。父譲りの瞬発力を存分に生かし、メンバー最速の上がり3ハロンをマークしましたが・・・。今日に関しては勝ったエフフォーリアを褒めるべきでしょう。斤量差の分もあった気はします。

 

 

 グランアレグリア(2番人気)はパドックでは2人引きでも落ち着き十分。馬体に重厚感があって、動きは迫力満点。万全の仕上がりに見えました。マイルからの距離延長でしたから、ある程度のポジションを取れると思っていましたが、2番手に陣取る正攻法のレース運び。結果的に後ろの2強にマークされている分もあって③着に敗れてしまいました。それでも、勝利を意識した強気の立ち回り。世紀の3強対決を面白く演出したのはグランアレグリアでしょう。馬券は外れてしまいましたが、満足しています。

 

 

 

                          

text by 京増 真臣

 

 

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

【データ泣き笑い】

〇前走クラス・・・勝ち馬は前走がGⅠ②着。②着馬は前走がGⅠで1番人気に支持されており、どちらも連対条件を満たしていた。

〇レース間隔・・・②着コントレイルの前走は4月の大阪杯。前哨戦を使わずにGⅠを使うローテーションが主流だけに今後は休養明けを割り引くことはしない方が賢明か

〇ディープインパクト産駒・・・コントレイルの②着が最高着順となった。勝ち切るのは難しく、今後も敢えて②着に固定する作戦は有効かもしれない

 

 

 

《天皇賞(秋) 2016-20》

 

 

 

 

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