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第7回 ターコイズS 回顧

 12月18日(土曜)に中山競馬場で行われた第7回GⅢターコイズS(芝1600m・3歳以上・牝馬・ハンデ・晴れ・稍重馬場)はミスニューヨーク(単勝4番人気)が大外から一気に差し切って優勝。騎乗したM.デムーロ騎手、管理する栗東・杉山晴紀調教師ともに当レースは初勝利。ミスニューヨークは北海道浦河町高昭牧場の生産馬。馬主は(有)高昭牧場

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

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【展開・ペース】 仕掛けてハナを切ったイベリススマイルカナが2番手でマーク。2コーナー付近で隊列が決まりかけたのですが、外枠の分、前に壁を作れなかったクリノプレミアムが前の2頭に競りかける形に。触発されたスマイルカナも行きたがった影響でスタート後の2~4ハロン目は11秒台前半のラップが並びました。道中で先行勢は息を入れることが叶わず、結果的に差し・追い込みタイプに有利な展開となりました。

 

 

人馬一体!ゴール前で大逆転

【レース分析】 積極的に運ぶと最後に甘くなってしまうミスニューヨーク(4番人気)。かといって脚をタメ過ぎると差し届かず、乗り難しさがあるタイプ。それだけに2度目の騎乗で結果を出したM.デムーロ騎手の手腕に唸らされました。

 

▲パドックを歩くミスニューヨーク(撮影:yu~kun)

 

「馬込みを気にする面がある馬で、前走は包まれる形になって悔しい思いをしましたが、能力があるのは分かっていたので、ずっと信じていました。同じ内枠でも今日は出遅れましたが、馬の気持ちを大事にして乗っていました。本当はムチを持ち替えたかったのですが、すぐにゴールまで来たので、そうする余裕がなかったです。終いの伸びは予想以上でした。素晴らしいものでした。もっと重賞を勝てると思います」とレース後にM.デムーロ騎手はコメント。スタートがゆっくりではありましたが、後方でひたすらジッと我慢するという判断を下すのは容易ではなく、このあたりはジョッキーに豊富な経験、類い稀な感性、そして度胸があればこそ。大外からの直線一気は見事。確かに展開は向きましたが、ミスニューヨークの性格を理解し、ノビノビと走らせたこの鞍上であればこそ成し得た勝利でしょう。

 

ミスニューヨークの4代血統表

 

トップハンデを克服したアンドラステ

 アンドラステ(3番人気)はスタート後に2度ほどゴチャついて中団に控える形。ここで慌てることなくリズムを優先した岩田望来騎手。結果的に先行勢の作り出したハイペースに巻き込まれることはなく、脚を残せていました。直線に向いてからは前を行くスマートリアンが抜け出して出来たスペースにスッと飛び込んで上々の伸び。②着に敗れましたが、外から鋭く伸びた勝ち馬よりも3.5キロ重い56.5キロのハンデを背負っていました。厳しい条件でもキッチリと好走。今後も牝馬同士なら大崩れするシーンはなさそうです。ギルデッドミラー(13番人気)は折り合いがポイントになるタイプ。それだけに前に馬を置きづらい8枠がどうか?と見ていましたが、道中はアンドラステの外でリズムのいい走り。ペースが速かったのもいい方に出ました。それでも、枠なりに外を回るロスがありながら②着とは半馬身差。こういったレースを続けていくことで安定して力を発揮できるようになるはずです。

 

 

 ④着はフェアリーポルカ(8番人気)。後方の内めで脚をためて運び、直線に向いてから外へ。十分な進路がなかったため、追いづらく、少しブレーキを踏むようなシーンもありながらも脚を見せました。忙しいマイルのペースでも、健闘。この馬も安定感が光ります。1番人気スマートリアンは⑦着。手応え良く直線に向いた割に伸び切れず。これは急流の中、好位で積極的に運んだ分でしょう。次走で狙うとすればイベリス(6番人気)。スマイルカナクリノプレミアムに競り込まれ、決して楽な逃げではありませんでしたが、残り1ハロン過ぎまで先頭を死守。状態も良かったのでしょう。距離を短縮してくれば一変があって驚けません。

 

 

 

             text by 藤原 有貴

 

 

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

【データ泣き笑い】

〇前走クラス・・・勝ち馬は前走がGⅡ⑫着、②着馬はGⅡ②着で連対条件をクリア。前走GⅡ組はたとえ着順がひと息であっても軽く扱ってはならない。

〇前走距離・・・連対した2頭は前走で1800mに出走。前走が1400m以下+中山マイルで重賞勝ちのなかった馬は6頭出走して③⑤⑥⑨⑪⑯着。ギルデッドミラーが③着に駆けたものの、連対となるとやはり難しいようだ。

〇馬齢・・・今年は4→5歳で決着。勝った4歳のミスニューヨークはマイル重賞で③着以内の実績こそなかったが、GⅠ秋華賞で⑤着に健闘。来年以降、4歳馬は、マイル重賞で③着以内、GⅠレースで⑤着以内のどちらかの実績があれば連対可能と見て狙いたい。

 

 

 

《ターコイズS 2016-20》

 

 

 

 

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