12月26日(日曜)に中山競馬場で行われた第66回GⅠ有馬記念(芝2500m・3歳以上・定量・晴れ・良馬場)はエフフォーリア(単勝1番人気)が直線で力強く抜け出して優勝。騎乗した横山武史騎手、管理する美浦・鹿戸雄一調教師ともに当レースは初勝利。エフフォーリアは北海道安平町ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)キャロットファーム

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

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【展開・ペース】 パンサラッサがハイペースで飛ばし、タイトルホルダーは少し離れた2番手を追走。展開は見立て通りでしたが、土曜日の朝に降った雨の影響により、かなりタフな馬場コンディションでの争いとなったのは予想外。適度に時計、上がりともかかりました。

 

 

秋の盾に続き、グランプリも制圧

【レース分析】 エフフォーリア(1番人気)は堂々と落ち着いてパドックを周回。本馬場入場でも迫力満点の動きを見せていました。逃げ馬が飛ばす中、ペースに合わせて中団に陣取ると、ピッタリと折り合いをつけて追走。この操縦性の高さは長所であり、素晴らしい武器ですね。クロノジェネシスをマークしながら進み、これよりも一歩早くスパート。クロノジェネシスをうまく馬群に閉じ込め、ラスト1ハロンで先頭に躍り出ると、力強く押し切ってGⅠ 3勝目をマーク。横山武史騎手の冷静な騎乗が光りましたね。

 

 

「記者会見で言ったように天皇賞が120%の状態で、それに比べると落ちる感じでしたが、高い能力を持っているので8~9割でも十分だと思っていました。初めての2500mで、これまでで1番長い距離を走るので折り合いが不安でしたが、いい位置でリラックスしてくれました。ダービーの時みたいにファイトすることなく、いいリズムで直線に向けましたし、何とか頑張ってくれと、がむしゃらに追いました。いい結果を出せて良かったですし、馬に感謝してありがとうと伝えました」とレース後に横山武史騎手はコメント。3歳での天皇賞(秋)、有馬記念制覇は2002年シンボリクリスエス以来となる快挙。そんな名馬が父父にあたるのは偶然とは思えません。また天皇賞(秋)ではコントレイル、グランアレグリアを、そして有馬記念ではクロノジェネシスを退けての戴冠。来年はこの馬が日本の競馬を牽引していくことになるでしょう。

 

エフフォーリアの4代血統表

 

海外帰りで価値のある②着

 ディープボンド(5番人気)は帰国緒戦でも、馬体に重厚感があり、身のこなしはスムーズ。9分以上の仕上がりに映りました。終始、インにこだわった和田竜二騎手の好騎乗も手伝い、直線ではエフフォーリアに並びかけるようなシーンも。タフな馬場コンディション、そして持久力勝負というのもディープボンドにピッタリでしたが、改めてGⅠ級の力があることをアピールしました。

 

 

 クロノジェネシス(2番人気)は少しうるさい面を見せていましたが、これはいつものこと。冬毛が生え、決してトップコンディションにはなかったはずですが、体はきっちりと仕上がって能力を発揮できる仕上がりでした。4コーナーでエフフォーリアに蓋をされて苦しい形になりましたが、直線に向くと懸命に脚を伸ばして0秒2差。グランプリを3勝した地力は存分に示しました。ステラヴェローチェ(3番人気)は④着。神戸新聞杯、菊花賞を戦っての秋3戦目。当日の気配は良く、前2走のダメージはいませんでした。坂上で脚が鈍ったものの、上位争いを演じました。それだけにスタートのロスが悔やまれるところ。それでも、初めてコンビを組んだM.デムーロ騎手は「本当に力のある馬で来年がとても楽しみです」とコメント。同世代にエフフォーリアという存在はいますが、マイルでも2500mでもGⅠで健闘できるオールラウンダー。来年はどのような路線を歩むのか注目が集まります。

 

 

 

             text by 藤原 有貴

 

 

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

【データ泣き笑い】

〇前走クラス・・・勝ち馬は前走が国内GⅠ①着、②着馬は海外GⅠ⑭着、③着馬は海外GⅠ⑦着。②着のディープボンドはGⅠ未勝利ながら海外GⅠ経由で連対を果たした。この点から来年以降は海外GⅠ組に関しては実績を問わず、前走着順は不問で狙いたい。

〇3歳馬・・・2010年以降、GⅠを2勝以上していた3歳馬は11年オルフェーヴル①着、12年ゴールドシップ①着、19年サートゥルナーリア②着、そして21年エフフォーリア①着。今後も有馬記念では軸として信頼できる。

 

 

 

《有馬記念 2016-20》

 

 

 

 

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