2022年4月10日(日) 2回阪神6日

 週中からお天気が続いて、当日も良馬場。ただ、含水率は1週前よりも少し高ったです。コースは今週からBコースを使用。レースは34秒6─24秒2─34秒1のミドルペースでした。走破時計の1分32秒9は、2021年1分31秒1、2019年1分32秒7に続いて3番目に速い数字。それを考えると中盤の12秒2はゆったりですし、例年と比べてもこの区間は遅め。単純比較はできませんが、前半4ハロンは阪神JFより遅かったです。

 序盤はデビュー戦以来の芝だった内枠のカフジテトラゴンが好スタートでハナへ。ウォーターナビレラもスタート良く、2番手を追走し、その外に二の足を利かせたラブリイユアアイズ。勝ったスターズオンアースは思ったほどポジションを取れませんでしたが、川田騎手もあまり無理をしなかった感じ。前半はリズム重視の騎乗に映りました。コーナーでは中団の内め。直線で内のパーソナルハイが前を行くナムラクレアの外に出そうとして一瞬前が狭くなりますが、その後は前が開いてウォーターナビレラの進路を追走。ただ、残り1ハロンで内からピンハイ(ピンハイの高倉騎手は、最後の直線コースで外側に斜行、過怠金50,000円)のアオリを受けて再び狭くなりますが、それをこじ開けてもうひと伸び。3歳牝馬とは思えない精神力の強さを発揮して戴冠。内にモタれる面が強かったフェアリーSから明らかに馬が成長していましたね。川田騎手も「スペースも狭く、他馬と接触しながらでも気持ちが強く、最後まで走り切ってくれましたし、彼女の気持ちの強さが勝利につながってくれましたね」と相棒の頑張りを称えました。

 惜しかったのはウォーターナビレラ。マイナス14㎏は究極の仕上げといったところでしょうか。道中は2番手でも手綱を押さえて手応えは十分。スムーズな競馬ができましたし、ギリギリまで追い出しを我慢して完璧なレースだったと思います。ラスト2ハロンは11秒5─11秒5。これで差されては仕方ないといった内容。ナムラクレアも一瞬もしかしてと思わせました。好枠を生かして好位のインから。心配された折り合いは大丈夫でしたし、うまくレースを運べましたが……。「ラストで止まってしまいましたね。マイルもこなせますが、ベストはもう少し短い距離なのかなと思います」と浜中騎手は距離を敗因の一つに挙げていました。

 Bコース2日目の桜花賞は結果的に内有利の競馬でした。それを考えると2歳女王サークルオブライフは負けて強し。道中は後方で脚をためる形。阪神JFと同じように直線は外から脚を伸ばしましたが、前が止まらない競馬ではここまで。個人的に勿体ないなと感じたのはピンハイ。後方のインで手応え十分。直線は前を行くナムラクレアをパスしようと、その外に出そうとしますが、ナムラクレアが外に流れたことで更にその外へ。強引な進路取りになり、制裁対象となってしまいました。もう少し待っていれば内が開きましたが、それは結果論。1番人気のナミュールは⑩着。勿論、大外枠の不利はあったでしょう。ただ、デビュー戦から最低体重の406㎏。阪神JFでは負けて強しでしたが、成長力という点で物足りなさを感じました。また、横山武史騎手は春のG1で3戦続けて1番人気に支持されながら⑥⑨⑩着。ちょっと流れが悪いですね。

text by 小林  

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