4月24日(日曜)に東京競馬場で行われた第57回GⅡフローラS(芝2000m・3歳・牝馬・雨・良馬場)はエリカヴィータ(単勝5番人気)がゴール前で逃げ馬を交わして優勝。騎乗した田辺裕信騎手、管理する美浦・国枝栄調教師ともフローラSは初勝利。この結果、エリカヴィータ、パーソナルハイがオークスの優先出走権を獲得した。エリカヴィータは北海道安平町ノーザンファームの生産馬。馬主は三木正浩さん。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

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【展開・ペース】 スタートを決めて先手を主張したパーソナルハイシンシアウィッシュが競りかけました。その分、レース序盤は速めのラップが刻まれましたが、パーソナルハイはハナを取り切ると上手にペースを落とすことに成功。中盤に12秒台のラップが並んだことで先行タイプに有利な展開となりました。

 

▲パドックを歩くエリカヴィータ(撮影:yu~kun)

 

【レース分析】 勝ったエリカヴィータ(単勝5番人気)はスタートを上手に出て好位のインに陣取りました。レース中盤にペースがグッと緩んだことで上がり勝負となりましたから絶好のポジションで直線へ。それでも、直線半ばで後続を引き離し、勝ちパターンに持ち込み、パーソナルハイを捉えた点は高く評価できます。

 

エリカヴィータの4代血統表

 

「マイル戦を使っていた馬ですし、ゲートで何もなければ好位を取れそうだと思っていました。開幕週の馬場でもあったので、先生とも相談して、実際にイメージした通りの位置を取れました。精神的にも気が立っていた前走は出遅れていましたが、あれがあってゲート練習をして今日に向けてうまく準備をしてくれました。綺麗な走りをする馬なので、雨は気になりましたが、全体的に芝の状態が良かったのはプラスでしたね。距離が延びて良さが出ましたし、2コーナーの入りや直線で狭いところがあってもうまく抜けてこれたようにいいガッツを持っていますので、これから強くなると思います」とレース後に田辺騎手はコメント。デビュー戦は上がり勝負を外から鮮やかに差し切ったように自在性に加え、素晴らしい瞬発力も兼備。良馬場でも高いパフォーマンスを発揮するタイプですから本番のオークスでも軽くは扱えません。

 

 

 ②着パーソナルハイ(4番人気)は序盤こそシンシアウィッシュに競りかけられるシーンがありましたが、ハナを切ってからは折り合って走れました。スタート後、5ハロン地点からは12秒台のラップに減速。2番手のシンシアウィッシュに騎乗したM.デムーロ騎手もペースダウンには気付いていましたが、スタート後に行きたがった点からもお釣りを残すためにも無理に動くことはしなかったように映ります。直線に向くと一気にギアを上げ、後続を引き離した際は勝負ありと思われましたが、今回に関しては勝ち馬を褒めるべきでしょう。シンシアウィッシュ(9番人気)は前走時のパドックを見てもテンションが高さが気になり、また420キロ台と細身の馬体。関東圏への輸送がマイナスに出ると見て評価を下げたのですが・・・。気の昂りは見せつつも大きくは体を減らさずにレースに臨めました。序盤、ガツンと行きたがりましたが、その後は2番手で我慢。オークスへの出走権こそ逃しましたが、気性と馬体が成長してくれば更なる活躍が期待できます。

 

 

 ⑤着ルージュエヴァイユ(2番人気)はロスを抑えて3~4コーナーをパスしましたが、肝心の直線ではなかなか進路が開かず、追い出しを待たされてしまいました。それでも、⑤着まで押し上げてきた点は立派。もし、オークスに出走が叶うなら必ず印を回したいですね。本命に推したルージュスティリア(1番人気)は⑮着。騎乗実績のある福永騎手にスイッチし、課題のスタートは決まったのですが、その後は終始行きたがってしまい、脚が溜まらず。状態は良さそうに映っただけに残念な結果に終わってしまいました。ただ、デビュー戦の勝ちっぷりからも好素材であるのは疑う余地がなく、次走は心身が噛み合って力を出し切ってほしいものです。

 

 

 

 

 

 

             text by 藤原 有貴

 

 

 

 

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