9月3日(土曜)に札幌競馬場で行われた第57回GⅢ札幌2歳ステークス(芝1800m・2歳・馬齢重量・晴れ・良馬場)はドゥーラが1番人気に応えて優勝。騎乗した斎藤新騎手、管理する栗東・高橋康之調教師とも札幌2歳Sは初勝利。ドゥーラは北海道浦河町グランデファームの生産馬。馬主はサイプレスホールディングス合同会社

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

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【展開・ペース】 好スタートを切ったアースビートが一旦は前に出ましたが、あまりハナを切るつもりはなかったよう。内めからレッドソリッド、中からフェアエールングが行く気を見せて1コーナーを回ったところではフェアエールングが先頭。ただ、少しペースが緩んだのはスタートから4ハロン目だけで、その後は12秒前後のラップが続く緩みのない流れ。キャリアの浅い2歳馬には決して楽ではない展開でしたし、開催最終週のタフな馬場コンディションで内、外のコース取りも明暗を分けるような結果となりました。

 

 

【レース分析】 勝ったドゥーラ(単勝1番人気)はスタートを五分に出て馬群の外め。道中の折り合いもスムーズで周りの動きに惑わされることもなく、鞍上も自信を持ってレースを運んでいるように映りました。勝負どころでは先に仕掛けた②着馬を追うように進出を開始し、直線を向いたときも手応えは十分。追い出すと力強く伸びて、きっちりと前を捉えました。

 

 

「開催が進んで内の馬場が荒れていたので、この枠順も良かったですし、前にいた馬を目標にレースを進めました。これまで2戦とも上がり最速でしたし、今日も道中はリズム良く走れて、ラストも脚を使ってくれましたね。スタートが凄く上手で、折り合いもつくので運びたいところで運べますし、どこからでも脚が使えますから、これからが楽しみですとレース後に斎藤騎手はコメント。当日版で本紙◎とした根拠である優秀な前走の走破タイムと比べると、今回の時計は0秒9遅いですが、馬場状態や流れの違いがありましたし、それに難なく対応して力を出し切れたことが今回の収穫。使う毎に気性などが成長して、レース運びの安定感も増している印象を受けました。今後は高速馬場への対応などが鍵になるでしょうが、ある程度、レベルの高い牡馬勢を一蹴した能力を考えれば、それもあっさりクリアするかもしれませんね。

 

ドゥーラの4代血統表

 

 ②着ドゥアイズ(6番人気)も牝馬ですが、当日の体重が8キロ減でも華奢な印象はなく、レースでも外枠から流れに乗って、一旦は先頭と見せ場たっぷり。まだ気性面に若さがあると見て、迷った末に当日版のシルシを抜いてしまったのは痛恨でしたが、こちらは馬場状態も含めて、外枠が味方した印象。揉まれる形になった際への対応など、今後のレースぶりで確かめたいことも少なくありません。③着ダイヤモンドハンズはトビが大きいタイプだけに、②着馬とは逆に最内枠が応えた様子。それでも後方待機から馬群の大外を回って脚を伸ばし、馬券圏内に食い込みましたから、能力の高さは示したといえます。広いコースでのレースぶりが楽しみになりました。

 

 

 3番人気で⑤着のブラストウェーブも大型馬ですし、序盤に頭を上げるようなシーンがあって、スムーズとはいえないレースぶり。それでも、馬場の悪い内めから、馬群をこじ開けるように進路を確保した時の脚勢は目につきましたし、スタートで出遅れて追い上げに脚を使った⑦着シャンドゥレール(2番人気)と同様、最後は伸び切れなくても悲観するような負け方ではありませんでした。この2頭は下馬評通り、ひと皮剥ければ大物に育つ可能性を秘めていると思われます

 

 

 

 

        text by 五十嵐 友二

 

 

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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