5月15日(日曜)に東京競馬場で行われた第17回GⅠヴィクトリアマイル(芝1600m・4歳以上・牝馬・晴れ・良馬場)はソダシ(単勝4番人気)が好位から力強く抜け出して優勝。騎乗した吉田隼人騎手はヴィクトリアマイルは初勝利。管理する栗東・須貝尚介調教師は17年アドマイヤリード以来、2勝目となった。ソダシは北海道安平町ノーザンファームの生産馬。馬主は金子真人ホールディングス㈱

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

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【展開・ペース】 ローザノワールが同型を制してハナを奪いました。前半の半マイル通過は46秒3と平均ペース。ただ、ローザノワールはノーマークで後続のプレッシャーを受けずに逃げられました。その分だけ直線も渋太く粘って②着からはクビ+ハナ差と大健闘。「逃げ粘るのでは!」とヒヤヒヤしつつ馬券を握っていた人はかなり多かったのでは。少し離れた2番手以下はスローペース。後方待機組はノーチャンスという展開でした。

 

 

【レース分析】 ソダシ(4番人気)にはもっとうるさいイメージを持っていたのですが、時折チャカつく程度でテンションが上がらず、抜群の気合乗り。馬体は逞しく、迫力満点のパドックでした。ゲート入りこそ嫌がりましたが、スタート、二の脚ともに速く、すんなり3番手のインを確保。落ち着いたペースでしたが、馬群がバラけたことでスムーズに抜け出すことに成功。②~⑤着馬が接戦を演じる中、最後は2馬身差突き放したのですから完勝と言っていいでしょう。ダートもこなしますが、阪神JF、桜花賞も勝っているように、やっぱり芝のマイルがベストですね。

 

 

「今日は落ち着きがあって返し馬の1歩目もリラックスしてデキの良さを感じました。むしろいつもらしさがないかな?と思ったくらいでしたが、ゲートに入ったらピリッとしてくれました。いつも前向きな走りをする馬ですが、ハイペースにならないよう、いいリズムで運べたと思います。今日は豪華メンバーでしたし、この馬に乗る時にはそれ以外のプレッシャーも感じるので、それを跳ねのけて勝てたことは嬉しかったです。いろいろな条件を使ってきましたが、今日の結果の通り芝のマイル戦なら強いメンバー相手でも好勝負できるので、これからも応援をよろしくお願いいたしますとレース後に吉田隼人騎手はコメント。3冠牝馬を筆頭に豪華メンバーが集った一戦を制し、マイル女王の座を確固たるものとしました。これだけのパフォーマンスを発揮できるのですから牡馬相手のマイルGⅠに替わっても期待が膨らみますね。

 

ソダシの4代血統表

 

 ファインルージュ(3番人気)はマイナス10キロでも東京新聞杯が少し立派でしたし、時季的にこれが適正体重でしょう。脚捌きはスムーズで仕上がりは良く映りました。ソダシレシステンシアをマークするようなポジションを取れたのですが、直線は前を走る馬が外へ動いたことでバランスを崩す不利がありました。ソダシには離されましたが、立て直してからは目立つ伸び。スムーズなら楽に②着を確保できていたでしょう。

 

 

 レシステンシア(6番人気)は馬体が絞れており歩様は一歩一歩が力強かったですね。ローザノワールに譲って、すんなり2番手に収まりましたが、もっと飛ばした方が持ち味が生きる印象があります。結果的に好位勢の目標になるようなレースに。それでも、粘り強い走りで③着を確保しました。ソングライン(2番人気)は3コーナーで、レイパパレ(1番人気)はスタートで躓いて走りのリズムが乱れたのが悔やまれます。◎に推したデアリングタクト(5番人気)は秋華賞出走時が480キロ。今回は486キロでしたが、オークス、ジャパンカップで見た3歳時よりも馬体はひと回り逞しくボリュームUP。また以前はテンションが高かったんですが、落ち着きも出て心身ともに成長を感じました。1年1カ月ぶりの実戦、しかも久しぶりのマイル戦でも、流れに乗ってレースができたのは評価すべき点。直線に入るといい状態とは言えない内目から伸びかけて見せ場を作りました。今回は休み明けの影響もあって⑥着止まりでしたが、足元が無事なら次走でガラッと変わりそうですね。

 

 

 

 

 

 

 

             text by 京増 真臣

 

 

 

 

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