6月12日(日曜)に東京競馬場で行われた第39回GⅢエプソムC(芝1800m・3歳以上・別定・晴れ・重馬場)はノースブリッジ(単勝4番人気)が直線半ばで先頭に立つとそのまま押し切って優勝。騎乗した岩田康誠騎手は2013年クラレント以来となる当レース2勝目。管理する美浦・奥村武調教師は初勝利となった。ノースブリッジは北海道新冠町村田牧場の生産馬。馬主は井山登さん。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

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【展開・ペース】 トーラスジェミニがハナを主張。これにコルテジアが続き、ノースブリッジは行きたがるのをなだめながら3番手を進みました。手頃な頭数ということもあって隊列が早くに決まり、前半1000m通過は59秒7ですからスローペースだったと見ていいでしょう。この日の東京競馬場の芝コースは一旦、良馬場に回復しましたが、午後に入ってから強烈なスコールがあり、重馬場まで悪化。序盤から各馬、傷みのある内側を避け、外目を進み、馬群が縦長に。位置取りも結果を分ける要因となりました。

 

 

【レース分析】 勝ったのはノースブリッジ(4番人気)。パドックは最後尾を落ち着いて歩けていました。馬体には厚みが増し、4歳を迎えて心身とも更に充実してきた印象です。スタートしてからは3番手で折り合いに専念。直線に向くと、ラスト2ハロン付近で先頭に立ちましたが、その時点でもまだ追い出しを待つ余裕がありました。最後はガロアクリークに迫られると、もうひと伸びするようにしてこれを振り切ってゴール。馬場が渋ったことで末脚温存タイプの瞬発力を削がれた面があり、稍重の芝で2勝とこんな馬場を苦にしないノースブリッジに天も味方しました

 

ノースブリッジの4代血統表

 

「出遅れましたし、向正面と3~4コーナーでは何とか我慢して走っていた感じでした。直線半ばで上に飛ぶ場面があって、ゴール前では他馬を邪魔していました。それでも、東京の長い直線を食いしばって頑張ってくれたのは良かったです。これからは堂々としてレースに挑めます。1週前の時点ではまだもうひとつという感触でしたが、そこからここまでスタッフがいい方に持っていってくれました。感謝したいですね。もっと上を目指せる馬だと思いますとレース後に岩田康誠騎手はコメント。ノースブリッジには初めて騎乗した2歳12月の葉牡丹賞で勝利に導いた岩田康誠騎手。以降はほとんどのレースで手綱を取っていますから、重賞タイトル獲得の喜びは格別なはず。また在厩調整でキッチリと仕上げた厩舎の手腕も素晴らしく、モーリス産駒らしい成長曲線を描けたなら大舞台での活躍も期待できますね。

 

 

 ②着に追い上げてきたのはガロアクリーク(8番人気)でした。パドック、本馬場入場時は少しうるさいくらいで気力旺盛。馬体の張りも申し分ありませんでした。馬場状態のいい外めをスムーズに追い上げ、まとめて交わしそうな勢いで伸びてきましたが、ノースブリッジの二枚腰、渋太さに屈した形。それでも、皐月賞➂着馬が復調を示しました。鳴尾記念を制したヴェルトライゼンデ、安田記念で➂着に食い込んだサリオスと6月に入ってからコントレイル世代の好走が続きますね。

 ダーリントンホール(2番人気)は体が絞れての出走。それほどテンションも上がっておらず、力強い脚取りでパドックを周回していました。まずまずのスタートから先行勢を射程圏内に入れながら運びました。直線に向くと勝ち馬の直後からスムーズに捌くことができたのですが、ジワジワとしか脚を使えず、勝ち馬とはクビ+クビ差。もうひと押しが利きませんでした。1番人気に支持されたジャスティンカフェは④着。湘南Sでは上がり3ハロン32秒9という驚異的な脚を使って差し切りましたが、今回は身上の瞬発力を生かすには酷な重馬場。また後方を進んだこと、1ハロン延長を考え合わせれば立派な内容。重賞でも通じることを証明しました。

 

 

 

 

 

          text by 京増 真臣

 

 

 

 

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