4月10日に中山競馬場で行われた第39回GⅡニュージーランドトロフィー(芝1600m・3歳・馬齢・晴れ・良馬場)はバスラットレオン(単勝2番人気)が主導権を握ってそのまま押し切って優勝。騎乗した藤岡佑介騎手、管理する栗東・矢作芳人調教師とも当レースは初勝利。この結果、バスラットレオンタイムトゥヘヴンシティレインボーの3頭がGⅠ NHKマイルCの優先出走権を獲得した。バスラットレオンは北海道浦河町・三嶋牧場の生産馬。馬主は広尾レース㈱。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

 

【展開・ペース】 好スタートを切ったバスラットレオンがすんなりとハナに立ちました。スタートから2~3ハロン目も11秒3とラップを緩めることはせず、マイペースの逃げに徹する形。後続も序盤は行きたがる感じの馬が何頭かいましたが、全体的にはスムーズに折り合っての追走。中山の1マイル戦らしく、緩い流れからの瞬発力勝負ではなく、スピードの持続力、距離適性の高さが求められる展開となりました。

 

▲パドックを周回するバスラットレオン(撮影:yu~kun)

 

後続を寄せ付けずポールトゥウィン

【レース分析】 勝ったバスラットレオン(単勝2番人気)は終始、後続に1馬身程度の差をつけての逃げ。直線を向いた時も手応えは十分。そこから上がり最速の脚を駆使して後続を突き放し、ゴールに入った時には②着馬に5馬身差をつける快勝劇でした。

 

 

「今日はつかまっているだけでした。デビュー前からスタートの速い馬でしたし、前に進みたい気持ちが強い馬なので助かりますね。ペースも楽でしたし、4コーナーを回る時も負けないだろうなという手応えでした。内の馬場が緩かったので外に出しましたが、最後は流すくらいの余裕がありましたよ。ここにきて大分、体がしっかりしてきまし、以前から稽古も動けていたので、ここで重賞を勝てて良かったです。もっと上を目指せる馬ですし、これから成長していけばGⅠでも能力を発揮できるでしょう。逃げる形で結果を出していますが、ためが利くようになれば、末脚を使えるようになると思います」とレース後に藤岡佑介騎手がコメント。レコード決着となったGⅠ朝日杯FSで④着、高水準のGⅢシンザン記念③着などの実績、地力は、今回のメンバーでは一枚上でしたし、再び層の厚いマイル路線の一線級と顔を合わせるGⅠ NHKマイルCでも、上位候補の1頭となることは間違いありませんね。

 

バスラットレオンの4代血統表

 

マイル適性高いタイムトゥヘヴン

 ②着のタイムトゥヘヴン(3番人気)は初めてのマイル戦、外枠でスタートも今ひとつでしたが、馬群の外を回る形でも最後まで脚を伸ばして、連対を確保。母のキストゥヘヴンは2006年のGⅠ桜花賞馬で、中山の芝でも4勝を挙げていましたから、当舞台への適性の高さは戦前から予想されていた通り。内容的には完敗の②着でしたが、次走で続けてマイルを使われれば慣れも見込めるので、勝ち馬との差を詰めることは可能でしょう。

 

 

 ③着シティレインボー(11番人気)、自分が当日版の紙面で◎にした④着ヴィジュネル(8番人気)は好枠から機動力を生かして流れ込む形。ともに追ってからの伸びは今ひとつでしたし、重賞で勝ち負けするには全体的なパワーアップ、決め手強化の課題があると感じました。一方、1番人気だったアヴェラーレはレースの流れに乗れず、直線も前が詰まって鞍上が無理に追うのをやめる感じで⑮着。C.ルメール騎手も「出脚が良くなくて後方を追走する形に。流れが遅くなってしまいましたし、直線では進路もありませんでしたから、今回は度外視して欲しいですね」とコメント。距離、コースへの適性なども、今後のレースぶりを見てから判断するべきでしょう。

 

 

                          

text by 五十嵐 友二

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

【データ泣き笑い】

〇前走クラス・・・連対馬の前走を見ると、勝ち馬は1勝クラス①着、②着馬はGⅡ⑥着(0秒6差)。どちらも連対条件を満たしていた。

〇所属・・・今年は西→東での決着。②着タイムトゥヘヴンは前走が中山芝で⑥着。やはり前走で中山芝コースを使っている点は重要。ただし、着順に関する縛りは撤廃した方がいいだろう

〇関西馬・・・2016年以降、前走、重賞で1桁着順だった関西馬は[3・2・1・7]。今年、該当するヴィジュネルは④着。馬券には絡めなかったが、健闘しており、混合も条件に当てはまる馬には注意が必要だ。

 

 

 

《ニュージーランドT 2016-20》

 

 


 
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