第39回ホープフルＳ回顧

　12月28日（水曜）に中山競馬場で行われた第39回ＧⅠホープフルS（芝2000ｍ・2歳・馬齢重量・晴れ・良馬場）はドゥラエレーデが優勝。騎乗したB.ムルザバエフ騎手はこれがJRA重賞初勝利。また管理する栗東・池添学調教師にとっては初めてのJRA GⅠ勝利となった。ドゥラエレーデは北海道安平町ノーザンファームの生産馬。馬主は㈱スリーエイチレーシング。

それでは、レースを振り返っていきましょう。

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【展開・ペース】　トップナイフ、ドゥラエレーデあたりがハナに立つのは想定できましたが、4ハロン目以降に12秒台後半のラップが連続し、ここまで遅いペースになるとは・・・。フルゲートですから激しくポジションを取り合って自然と流れは速くなり、有馬記念の日の傾向を踏まえれば、差し有利と考えましたが、見当違いでした。

【レース分析】　ドゥラエレーデ（14番人気）はハツラツとした周回で、好調をキープ。デビューから今回が5戦目。他馬より豊富なキャリアですが、ここまでのレースを見直すとこの馬の長所と短所がしっかりと浮き彫りになっていました。前走は掛かり気味だったように課題は折り合い面。今回はスムーズに2番手を確保し、リズム良く追走できていました。積極策から渋太さを生かす形に持ち込み、首の上げ下げでトップナイフとの接戦を制しました。

　「プランがふたつあって逃げ馬の後ろにつけるか、それとも逃げるかでしたが、当初の作戦通りのレースができました。向正面で掛かりそうになった以外はスムーズでした。直線に入った時もいい手応えでしたし、追う毎に力強さが出てきました。ゴールした瞬間は勝ったかどうか分かりませんでしたが、勝てて凄く嬉しいです。まだ信じられません」とレース後にB.ムルザバエフ騎手はコメント。鞍上が掛かるリスクを恐れず、攻めの姿勢を貫いたのが最大の勝因。またデビュー前から期待は大きく、カルラヴェローチェが勝ったHレベルな新馬戦で1番人気に支持された素材だけにタイトル獲得も納得。ドゥラメンテ産駒でもあり、クラシック戦線でも注目ですね。

▲ドゥラエレーデの4代血統表

　トップナイフ（7番人気）はリズミカルな周回で活気溢れる動き。こちらも勝ち馬と同様にキャリアは豊富で、完成度が高いですね。同型を制してハナを奪うと、スローペースに落としたジョッキーの好騎乗も光りました。道中で他馬が動くこともなく、絶好の展開に。最後は僅かに運がなかっただけ。勝ちに等しい②着と言えます。キングズレイン（6番人気）はまだ体に緩さはあるものの、パドックの外を勢い良く周回。気配は申し分ありませんでした。先行勢に有利な展開を踏まえれば、後方から最も中身の濃いレースをしました。現時点では上位2頭に及びませんでしたが、成長してくる今後が楽しみですね。

　ファントムシーフ（2番人気）は体に太め感はなく、ハービンジャー産駒らしい逞しさが出てきましたね。スタートの1完歩目こそ悪かったですが、最内枠を生かしてうまくリカバリーできました。直線は他馬を弾くように進路を確保したものの、今日は遅いペースに泣きました。1番人気に支持されたミッキーカプチーノは、大型馬らしい緩さがありますが、柔らかい身のこなし。3番手につけましたが、レース序盤は掛かり気味。勝負どころでは反応も少し鈍かったですね。好タイムで勝ちあがったあとの中２週も微妙に影響したかもしれません。本命に推したジェイパームス（10番人気）は体が締まって、脚運びはスムーズ。落ち着きもありました。まだ随所に幼さを見せていたのに加え、今日は展開が不向き。この経験を糧に、3歳シーズンは飛躍を期待したいところです。