7月10日(日曜)に福島競馬場で行われた第58回GⅢ七夕賞(芝2000m・3歳以上・ハンデ・曇り・良馬場)はエヒト(単勝6番人気)が直線で堂々と抜け出して優勝。騎乗した田中勝春騎手は2003年ミデオンビット以来となる七夕賞3勝目。また管理する栗東・森秀行調教師は1995年フジヤマケンザンで勝っており、当レースは2勝目。エヒトは北海道日高町白井牧場の生産馬。馬主は平井裕さん。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

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【展開・ペース】 内枠を生かしてロザムールがハナを主張し、トーラスジェミが2番手に続きました。以降の隊列もスンナリと決まりましたが、前半600m通過が34秒4→1000m通過は58秒5というハイペース。馬群が縦長になったことで、位置取りの差が勝敗を分けるポイントのひとつになりました。

 

 

【レース分析】 エヒト(6番人気)はボリューム感のある体つき。464キロという数字以上に大きく見えました。また身のこなしも滑らかでしたね。レースは他馬の出方を窺いながら中団を追走。大外枠でしたが、馬群が縦長になったことで外目を進む形でもコースロスを最小限に抑えられました。抜群の手応えのまま4コーナーをパス。直線に向くとアッサリと前を捉え、突き抜けて2馬身半差をつける完勝。ハンデ54キロの恩恵もありましたが、とにかく強いの一言でした。

 

 

「調子がいいと聞いていました。外枠も良かったですね。今までで一番いいスタートを切れたと思いますし、自分から走ってくれて普通にいい位置が取れました。道中の手応えも抜群。流れが速いのは分かっていましたが、3コーナーあたりからハミを取ったので馬任せで行きました。ペースが速かったので追ってどうかと思いましたが、4コーナーを回ってビュッともうひとつ反応してくれました。まだ緩さがあって力をつけるところがありますし、もう一段階パワーアップすれば更に楽しめそうですとレース後に田中勝春騎手はコメント。別定GⅡの京都記念で勝ち馬からコンマ4秒差と重賞でも力が通じることを示しており、3日(日)には栗東坂路コースで自己ベストとなる4ハロン49秒2という猛時計をマーク。状態も絶好だったということでしょう。サマー2000シリーズ初戦を制したことで王座獲得へグッと前進。シリーズの行方を占う意味でも次走の予定が気になるところです。

 

エヒトの4代血統表

 

 ヒートオンビート(1番人気)は歩様に勢いがあって、活気あふれる周回。パドックの気配は素晴らしかったですね。3200mの天皇賞・春から一気に距離が短くなる点を意識し、早めに仕掛けて長くいい脚は使いましたが、勝ち馬とはコース適性の差も出たでしょうか。それに57キロという重いハンデも背負っていた分、②着止まり。サマー2000シリーズ優勝にこだわるとすれば、個人的には新潟記念がベストの舞台に思え、出走してくるようなら注目したいですね。

 

 

 アンティシペイト(2番人気)もキビキビと活気溢れる周回。こちらも文句なしのデキ。道中はエヒトをマークするようなポジション。最後はヒートオンビートに交わされて③着でしたが、34秒台の上がりの脚を駆使し、速い時計の決着に対応できたことは収穫でした。今日に関しては斤量差はあったにせよ勝ち馬を褒めるべきでしょう。紙面上で本命を打ったフォルコメン(7番人気)はホライゾネットを着用。パドックではテンションが上がらず、馬体をスカッと見せていい仕上がりに映りました。先行勢に有利な馬場傾向を考慮し、鞍上の石橋脩騎手は出脚が良かったこともあり、3番手を追走。理想的なレース運びに映りましたが、正攻法ですと、いくらか2000mは長かった印象です。週中にチェックしたお天気サイトだと福島競馬場は土曜日は雨マーク。降雨の影響から道悪になると考えていたのですが、蓋を開けてみると土曜はパラパラと降っただけ。結果的に土日ともに芝コースは良馬場でレースが行われました。天候に振り回されてしまった面は否めず、改めて馬場予想の難しさも痛感させられた七夕賞となりました。

 

 

 

 

 

      text by 京増 真臣

 

 

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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