8月14日(日曜)に新潟競馬場で行われたサマーマイルシリーズ第3戦 第57回GⅢ関屋記念(芝・外回り1600m・3歳以上・別定・曇り・稍重馬場)はウインカーネリアン(単勝1番人気)が2番手から抜け出して優勝。管理する美浦・鹿戸雄一調教師は当レース初勝利。騎乗した三浦皇成騎手は2009年スマイルジャック以来となる2勝目となった。ウインカーネリアンは北海道新冠町コスモヴューファームの生産馬。馬主は㈱ウイン。
それでは、レースを振り返っていきましょう。
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【展開・ペース】 スタートを決めたシュリが先手を奪うと、外のウインカーネリアンは2番手を選択。後続の隊列もッ比較的すんなりと決まって、各馬、折り合いに専念。前後半の4ハロンは48.4-44.9。数字が示す通り、スローペースから直線の脚比べとなりました。
【レース分析】 ウインカーネリアン(1番人気)は4歳以降はマイル路線にシフト。蹄葉炎(蹄の血流に異常を来たす病気)のため約1年に及ぶ休養を余儀なくされますが、復帰してからは谷川岳S、米子Sとリステッド競走を連勝。勢いに乗って関屋記念に出走してきました。前、前で運んで速い上がりを繰り出せるウインカーネリアンの長所が存分に生きる展開。まさに2走前の谷川岳Sの再現とも言える2番手からの抜け出しだったわけですが、それにしても危なげのない完勝。前2走は開幕週の芝でしたが、今回は連続開催3週目、雨の残る稍重馬場をしっかりとクリアしました。
「今日もゲート内で立ち上がったりと粗削りな面がありますが、厩舎サイドでうまく調整してくれたので、自信を持って乗りました。レースではイメージ通りでしたね。爪の疾患で長いブランクがありましたが、パワーアップして戻ってきましたし、馬の素質を邪魔せずに、伸ばせるようにとやってきました。この馬には感謝しかありません」とレース後に三浦騎手はコメントしています。所属する鹿戸雄一厩舎の管理馬であり、長期のブランクを乗り越えての重賞制覇は本当に価値があります。3歳時の皐月賞ではコントレイル相手に2番手から上々の粘りを見せて④着と健闘。今後、厳しい流れのレースとなっても対応できるはずです。
シュリ(12番人気)はマイペースの逃げを打てたことが好走の要因ですが、昨年の谷川岳Sで逃げ切り勝ちを収めているように新潟マイルのコース形態も合っている印象。よくよく考えると勝ったのは今年の谷川岳S優勝馬でしたから、来年以降も同レースの勝ち馬には関屋記念で注意が必要ですね。ダノンザキッド(2番人気)は直線半ばで前に入られるシーンはありましたが、長く脚を使って②着馬に肉薄。手前を換えずに長い直線を走り切る形になりましたが、展開を考慮すると価値ある内容。安田記念で善戦した力を示しました。
スカイグルーヴ(4番人気)は好位で折り合って追走。もうひと伸びが利かなかったのは馬場の影響もあったかもしれませんが、マイルは少し長い印象を。約1年7カ月ぶりの実戦となったピースワンパラディ(11番人気)が⑤着。確かに先行勢に有利な展開が味方した点は否めませんが、長欠明けに加え、急遽の乗り替わりもありながら健闘したのは立派ですね。遅い流れでもしっかり折り合えたようにレース内容も良く、叩いた次走での前進に期待したいところです。
text by 藤原 有貴
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