12月17日(土曜)に中山競馬場で行われた第8回GⅢターコイズS(芝1600m・3歳以上・牝馬・ハンデ・曇り・良馬場)はミスニューヨークが優勝。昨年に続き、連覇を達成しました。騎乗したM.デムーロ騎手、管理する栗東・杉山晴紀調教師とも当レースは2勝目。ミスニューヨークは北海道浦河町高昭牧場の生産馬。馬主は(有)高昭牧場

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

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【展開・ペース】 先手を主張すると思われたローザノワールは出脚が今ひとつ。好スタートを切ったママコチャに行く気はなく、ライティアが自然体でハナに立ち、外からウインシャーロットが2番手につける形。スタートから3~6ハロン目に11秒台後半のラップが続いたように牝馬限定戦でもGⅢのマイル戦としては落ち着いたペースとなり、流れに乗れる機動力か、今の馬場にしては速い上がりに対応できる決め手の鋭さが要求される展開になりました。

 

 

【レース分析】 勝ったミスニューヨーク(単勝2番人気)は昨年が4コーナー14番手からの差し切りでしたから、今年の方が位置取りは前め。鞍上のペース判断が見事でしたし、5歳の冬を迎えても決め手の鋭さは健在。中山コースとの相性の良さも改めて示しました。

 

▲パドックを歩くミスニューヨーク(撮影:yu~kun)細身だが、力強い歩様が目に付いた。

 

 「前走はスペースがなくて悔しいレースでしたが、今日はうまくいきました。(位置取りは)ペース次第でと思ってしましたが、ゲートの出が今ひとつでしたし、あとはゴチャつかない外に出していきました。中山はこの馬が好きなコースですし、昨年と同様、いい瞬発力を見せてくれました。ターコイズSを連覇できて嬉しいです」とレース後にM.デムーロ騎手はコメント。年齢的に繁殖入りも遠くはない?と思われますが、能力の衰えなどはまったく感じられませんし、年明けの3月には今年③着だった中山牝馬Sもありますから、更に重賞勝ちを重ねる可能性も十分あるでしょう。

 

ミスニューヨークの4代血統表

 

 ②着が私が当日版の紙面で◎にしていたウインシャーロット(4番人気)で、14キロ増の馬体が太く見えなかった反面、脚質的に外枠がどうかと思っていましたが、スッと2番手につけて直線を向いても少し追い出しを我慢し、一旦は完全に抜け出す好内容。先日、GⅠ初制覇を果たした鞍上の冷静な騎乗ぶりが光りましたし、その石川裕紀人騎手の「勝っ馬の得意な舞台で、いい目標にもされてしまったので・・・。重賞を勝つのにふさわしい馬になってきました」というコメントがすべてを物語っているように感じました。③着フィアスプライド(12番人気)は上位馬より斤量が2キロ軽かったとはいえ、馬群の内を捌いた前走とは対照的に、大外から上がり最速で伸びて馬券圏内に突入。決め手の鋭さに磨きがかかってきましたし、マイル前後の距離ならコースも問いませんから、今後の動向に注目したいですね。

 

 

 ④着アブレイズ(7番人気)は56キロを背負っての健闘ですから、春のヴィクトリアマイル⑦着以降もGⅡや牡馬相手のGⅠで見せ場を作り、善戦していた内容がフロックでないことを示しました。一方、単勝1番人気に支持されていたママコチャは⑤着。好スタートから下げて鞍上のしたいレースができていたように見えましたが、そこから弾けなかったのは中山コースが初めてなど、キャリアの差が出た印象。夏に新潟で好タイム勝ちがあるように、本質的に高速決着となる馬場、流れがベストの印象も受けました。他で強調しておきたいのは5番人気で⑥着だったサブライムアンセムのレースぶりで、内枠を生かして課題の折り合いを何とかクリアし、直線も内から突き抜けそうでしたが、②着馬の後ろで進路が狭くなり、ゴール前は鞍上が追えていませんでした。ためが利けばマイルの距離も問題ありませんし、GⅡを勝っている1400mなら更にレースはしやすいでしょうから、次走以降も目が離せません。

 

 

   text by 五十嵐 友二

 

 

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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