2月19日(日曜)に東京競馬場で行われた第40回GⅠフェブラリーS(ダ1600m・4歳以上・定量・晴れ・良馬場)は1番人気レモンポップが優勝。管理する美浦・田中博康調教師、騎乗した坂井瑠星騎手ともフェブラリーSは初勝利。田中博康調教師にとっては嬉しいJRAGⅠ初勝利となった。レモンポップは米国・O.テイト夫妻の生産馬。馬主はゴドルフィン。
それでは、レースを振り返っていきましょう。
▲レース動画はコチラをクリック
【展開・ペース】 ショウナンナデシコが先手を主張しましたが、差がなくヘリオス、ケイアイターコイズが続いたことで半マイル通過は46秒6というハイペースに。本来なら差し・追い込みのレースとなるはずですが、その中でレモンポップは正攻法で運んで完勝。強さが際立ちますね。
【レース分析】 レモンポップ(1番人気)は全身を使うようにリズミカルな周回で、落ち着き十分。馬体の張りも申し分なく、デキは高いレベルで安定していました。前述したように逃げ・先行タイプにとってはかなり厳しい流れでしたが、直線半ばまで追い出しを待つ余裕があったほど。戦前は距離不安が囁かれていましたが、それを一蹴するかのように、力強く抜け出し、終わってみれば1馬身半差の完勝。1年に及ぶ長期離脱を乗り越え、まさに今が充実期。今後の活躍が楽しみですね。
「このようなチャンスをいただいたので何とか結果を出したいと思っていましたし、ホッとしています。稽古にも跨らせてもらいましたが、とても乗りやすい馬です。枠や並びを見て、先生とは行く馬を行かせて、それを見ながらと話していましたが、プラン通りでした。手応えは凄く良かったです。苦しい形ではありましたが、最後までしっかり脚を使ってくれました。精神的にしっかりした馬で、自分は乗っているだけでした」とレース後に坂井瑠星騎手はコメント。鞍上は初騎乗ながら見事に結果で応えた形。また好時計決着となった根岸Sから中2週でしたが、疲れを残さず、いい状態で本番へ送り出した田中博康厩舎スタッフの仕事ぶりもまた賞賛に値します。
▲レモンポップの4代血統表
レッドルゼル(3番人気)はキビキビと活気溢れる周回し、力強い脚捌き。7歳でも体もまだまだ若々しいですね。距離を意識し、後方待機策。展開が向き、外から懸命に差を詰めてきました。マイルは若干長い分、攻めた騎乗ができず、勝つまでは至りませんでした。メイショウハリオ(4番人気)は重厚感のある造りで力強い歩様。適度に気合が乗って、状態は文句なし。スタートで躓き、落馬寸前となるアクシデント。何とか体勢を立て直し、最後方に取りつきましたが・・・。そこまでで推定5馬身ほどのロスがありました。直線に向くとレッドルゼルに次ぐ35秒8の上がりをマークして③着。今日に関してはスタートがすべてでしたね。
ドライスタウト(2番人気)は体が絞れてグンと張りも良くなっていました。状態、気配は申し分なかったですね。勝ち馬と同じようなポジションを進み、この着差ですから、現時点での完成度、地力の差が出たということでしょうか。まだ4歳ですし、今回がキャリア7戦目。GⅠで揉まれた経験を糧に、ひと皮剥けそうですね。地方・浦和から参戦したスピーディキック(6番人気)は⑥着。芝スタートをクリアしたものの、ダートに入ってからは未体験の速いペースの影響か少し追走に苦労。ただ、ここで御神本騎手が無理に急かさなかったことで脚が溜まりました。直線は進路が開けばという手応えでしたが、前が塞がり、外へ切り替えるロス。それでも、心が折れずにもう1度伸びたあたりは明け4歳と思えぬメンタルの強さ。ほろ苦い結果に終わりましたが、中央競馬のファンにもその名前と脚力をアピール。再びJRAに挑戦してほしい逸材です。
text by 京増 真臣
※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。
研究ニュースネット新聞の紙面がご覧いただけます!
下記リンクをクリック
※記事中の写真は競馬ブックネットSHOPで販売中!