6月11日(日曜)に東京競馬場で行われた第40回GⅢエプソムカップ(芝1800m・3歳以上・別定・曇り・屋稍重)は単勝1番人気に支持されたジャスティンカフェが優勝。管理する栗東・安田翔伍調教師、騎乗した横山和生騎手ともエプソムカップは初勝利。ジャスティンカフェは北海道千歳市社台ファームの生産馬。馬主は三木正浩さん。
それでは、レースを振り返っていきましょう。
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【展開・ペース】 ショウナンマグマが先手を奪ったのは戦前の想定通り。ただ、2番手につけたのはこれまで差し・追い込みのスタイルで好走してきたルージュエヴァイユ。これは予想外でした。マテンロウスカイは内枠だったこともあってインの3番手を進みます。前半1000m通過は58秒3。馬場を考慮すると決してペースは遅くありませんでしたが、馬群はひと塊のままレースが進行しました。
【レース分析】 勝ったのはジャスティンカフェ(1番人気)。昨年のエプソムCはコンマ1秒差④着。当時は重馬場で身上の切れ味を削がれ、また進路を馬場の悪い内に取らざるを得ず、伸び切れませんでした。8枠を引き当てた今年は直線に向くとスムーズに外へ持ち出すことができました。粘り込む②③着馬を捉えて交わすと11/4馬身差をつけて勝利。仕掛けてからの反応は早く、すぐにトップスピードに到達。更に脚の持続力も目を見張るものがありました。渋った馬場を克服できた点も今後に向けて大きな収穫だったのではないでしょうか。
「競馬に乗るのは初めてでしたが、ずっとこの馬のレースは見ていましたし、事前に追い切りにも乗せていただいていたので何にも不安なところはなかったです。ジャスティンカフェの走りやすいペースと位置取り、リズムで進もうと思っていたので結果的にああいう形の競馬になりましたが、しっかりと差し切って力を見せてくれましたし、結果を出せて良かったです。まだまだ先がある馬ですし、もっともっと良くなる余地を残している馬なので、これからも頑張ってくれると思います」とレース後に横山和生騎手はコメント。前走のダービー卿CTではいつもより前、中団で流れに乗って切れる脚を仕えたように折り合いに進境を示し、レースぶりに幅も出てきました。直線の長い東京コースがベターでありますが、今ならどんなコースでもマイル~2000mなら確実に脚を使って上位争いできるのでは。
②着は2番手から踏ん張ったルージュエヴァイユ(単勝7番人気)。騎乗した石川裕紀人騎手は「今日はこの馬場でしたし、ある程度は前めのポジションが欲しいと思っていました。逆にこの枠だったので腹を括って競馬ができました」とコメント。ルージュエヴァイユも勝ち馬と同様に瞬発力、決め手が武器。渋った馬場でいつもレース運びだと厳しいと考えた鞍上の判断が好走をアシスト。結果的に積極的に先行しても折り合いはついており、上々の粘りを見せたことで彼女自身、新味を発揮した形。馬場を含めた条件に合わせて戦法を変えるのかどうか?次走以降の走りに注目したいですね。マテンロウスカイ(4番人気)は1枠ということもあってインの3番手を追走。しっかり我慢できていました。戦前の見立てではショウナンマグマを追って2番手を進み、直線に向いて馬場のいい部分を選べると見ていましたが・・・。馬群が縦長にもならなかったため、それが叶わない中でも、内目に進路を取って最後まで渋太く抵抗。良馬場なら44秒台の好時計決着に対応し、渋った馬場でも崩れなかった点は立派。重賞制覇の時は近い、そんな印象を受けました。
ジャスティンカフェのあとを追うように伸びたレクセランス(16番人気)、エアロロノア(5番人気)が④⑤着。反応の差で一気に勝ち馬と離されましたが、ゴール前では差を詰めて②着とは0秒1差。レクセランスは適度に上がりがかかり、また持久力も要求されたのが奏功しましたが、9ハロン戦で健闘できましたから今後の選択肢が広がりましたね。エアロロノアは回りを問わず、脚を使えるタイプ。昨年は安田記念、マイルCSでも小差とポテンシャルは高いですね。2番人気インダストリアは58キロを背負って⑦着。少し行きたがるようなところを見せましたし、追って前走のように弾け切れなかったあたり、左回りより右回りの方が合っているということでしょうか。
text by 京増 真臣
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