1月7日(日曜)に中山競馬場で行われた第40回GⅢフェアリーS(芝1600m・3歳・牝馬・馬齢重量・曇り・良馬場)は5番人気のイフェイオンが優勝。管理する栗東・杉山佳明調教師はJRA重賞初勝利。また騎乗した西村淳也騎手もフェアリーSは初勝利となった。イフェイオンは北海道千歳市社台ファームの生産馬。馬主は㈲社台レースホース。
それでは、レースを振り返っていきましょう。
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【展開・ペース】 キャットファイトがハナを奪ったところに向正面でジークルーネが並びかけて半マイル通過46秒6。前日に行われたリステッド競走・ジュニアCが1.32.5。同日の3歳未勝利が1.33.4と速いタイムが出ていました。競り合った2頭を除けば、基本的には先行勢に有利な平均ペース。5ハロン目12.3、6ハロン目12.2と緩んだことで、走破時計はそこまで速くはなりませんでした。
【レース分析】 エピファネイア産駒のイフェイオン(5番人気)は実戦を2度経験したことで、いくらかうるさくなってきましたが、テンションが上がるのは我慢できており、ひと息入った点は苦にしない気性。軽快な脚捌きを見せており、仕上がりは良かったですね。外枠からポジションを取りに動いた分、序盤は多少行きたがる面を見せましたが、すぐに好位で折り合いがつきました。前2頭が競り合ったことで展開もお誂え向き。道中の手応えも良く、あとは抜け出すタイミングだけ。ゴール前で②着馬に迫られたものの、危なげのない完勝でした。
「外枠で凄く難しい競馬になると考えていたので、何とかスタートだけは決めたいと考えていました。その通りにいいスタートを切れたし、思い描いていたレースができましたね。イフェイオン自体まだ若いですし、改善する点はありますが、これから着々と克服していければ、もっと凄い馬になってくれると思います」とレース後に西村淳也騎手はコメント。前走の勝ちっぷり、タイムが素晴らしかったですが、外枠、関東圏への輸送を克服しての重賞制覇は立派。鞍上、陣営の期待も大きく、クラシック本番でも軽くは扱えません。
▲イフェイオンの4代血統表
マスクオールウィン(6番人気)は前回と比べて少しうるさかったですが、この程度なら問題なし。牝馬とすれば馬格に恵まれ、フットワークもなかなかの力強さ。スタートで後手を踏み、腹を括って後方待機策。3コーナー過ぎから外を回って押し上げ、直線はメンバー最速の上がりで②着に好走。前走はスピードを生かしましたが、今度は差す戦法を取って距離にメドが立ちました。ラヴスコール(4番人気)はまだ華奢で馬体の成長は欲しいですが、動きはシャープ。最内枠を生かしたソツのないレースをして重賞でも通用する能力は示しました。
スティールブルー(1番人気)はまだ幼い仕草を見せて冬毛を刈っているように、心身ともに良化の余地を残しますが、馬体はすっきりと仕上がっていました。道中は後方に控え、折り合いに専念。馬込みの中でレースを進めたのは今回が初めて。しかも、終始、外から蓋をされて自由に動くことも許されませんでした。勢いをつけて直線に向くことは叶わず、②着馬の外に回り込んだものの、弾けるような伸びは見られませんでした。ニシノティアモ(10番人気)は細身でも均整の取れた造り。活気があって気配は良かったですね。スタートは出負け気味で、3コーナーで外に振られる不利もありましたが、直線は渋太く脚を伸ばして掲示板を確保。次につながる競馬でした。⑥着キャットファイト(2番人気)はキャリア初の逃げる形を選択しましたが、同型に絡まれてリズムの悪い走りに。積極策が裏目に出た印象。テリオスサラ(3番人気)発馬で大きく立ち遅れるロスがなければ上位争いに加われていたはずです。
text by 京増 真臣
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