1月28日(日曜)に東京競馬場で行われた第38回GⅢ根岸S(ダ1400m・4歳以上・別定・曇り・良馬場)は単勝1番人気に支持されたエンペラーワケアが好位から抜け出して優勝。管理する栗東・杉山晴紀調教師は根岸Sは初勝利。騎乗した川田将雅騎手は21年にレッドルゼルで制しており、通算2勝目となった。この結果、優勝したエンペラーワケアはGⅠフェブラリーSの優先出走権を獲得した。エンペラーワケアは北海道日高町下河辺牧場の生産馬。馬主は草間庸文さん

 

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

 

 

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【展開・ペース】 最内から先行すると考えられていたアイオライトが痛恨の出遅れ。難なく主導権を握ったのは武豊騎手が騎乗したヘリオス。以降の隊列もスンナリと決まって前半3ハロン通過は35秒8。重賞としてはスローに近いペースでしたが、馬群は縦長に。5番手を進んだエンペラーワケアから離れた6番手以降の馬たちはノーチャンスでした。

 

 

 

 

【レース分析】 エンペラーワケア(1番人気)は馬体重が530キロ台と大型ですが、重苦しい印象は一切なく、前走時よりも輪郭が締まって見えました。体に実が入ってきた証拠と考えていいでしょう。歩様は雄大で、一歩一歩が力強く、大物感たっぷりですね。スタートはそれほど速くありませんでしたが、すぐにリカバー。前で運ぶ面々を射程圏内に入れつつ5番手で折り合いに専念。外を回る正攻法のレース運びで抜け出し、②着馬を2馬身半離しました。ペースが緩んだ分、走破タイムは目立たないものの、上がり3ハロンは35秒2。これは追い込みに徹したアルファマム(35秒1)に次ぐ数字。もしも、フェブラリーSに駒を進めても、1ハロンの延長くらいでは脚が鈍ることはないでしょう。

 

 

 

 「完勝です。返し馬は前走の方が良く感じたので、今日はその部分をケアしつつレース前半を組み立てて運びましたが、影響はなく大丈夫そうな走りでしたので、そのまま順調にレースを進めていきました。その影響を考えて4コーナーで早めに動きを確認しましたが、すぐに反応してくれましたし、少し早かったですが、気持ち良く無理なく動かしてあげようと思って直線全体を使って競馬をしてきました。素晴らしい馬で、重賞に手が届いて当然の馬だと思いますし、これから先がますます楽しみですとレース後に川田将雅騎手はコメント。ダートに起用後は底らしい底を見せず、3連勝で重賞制覇。遅い流れの中、2馬身半突き抜けた点も価値が高く、フェブラリーSに出走してきてもチャンスは十分あります。

 

 

エンペラーワケアの4代血統表

 


アームズレイン(6番人気)は抜群の気合乗り。脚捌きも力強かったですね。状態は申し分なかったですね。大外枠でしたが、ダッシュを利かせて2番手を確保。ペースが落ち着きましたから理想的なレース運びでした。今日は勝ち馬が別格でしたが、前走から1ハロン距離を延ばしても②着に好走。4歳馬でこれからの活躍が楽しみです。サンライズフレイム(2番人気)はパドックではうるさい面を見せていましたが、もともとテンションの高いタイプ。体の造りは逞しく、体の張りも良好。状態はまずまずに映りました。前走は出遅れましたが、今日はスタートが決まり、6番手を追走。3〜4コーナーで前との差が広がり、上位馬とは位置取りの差も出ましたが、しっかり脚を伸ばして③着。1勝クラスから4連勝した力は伊達ではなく、素質の高さをアピールしました。

 

 

 

ヘリオス(8番人気)は高齢でも馬体、気持ちは若々しく、力強さもあって力は出せる仕上がり。主導権を握り、絶好の展開に持ち込めましたが、勝ち馬に早めに来られて苦しくなりました。フルム(7番人気)はパドックで活気溢れる周回。状態は高いレベルで安定。中団から渋太く脚を伸ばして掲示板に浮上。キャリアを積む毎に地力をつけており、重賞でも展開が噛み合えば、チャンスがありそうです。

 

 

 

text by 京増 真臣

 

 

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