競馬 研究ニュース

第59回 クイーンカップ 回顧

 

 

 2月10日(土曜)に東京競馬場で行われた第59回GⅢクイーンC(芝1600m・3歳・牝馬・馬齢重量・晴れ・良馬場)は単勝1番人気に支持されたクイーンズウォークが優勝。管理する栗東・中内田充正調教師はクイーンCは2勝目。騎乗した川田将雅騎手は通算3勝目となった。クイーンズウォークは北海道安平町ノーザンファームの生産馬。馬主は㈲サンデーレーシング

 

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

 

 

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【展開・ペース】 前2走を逃げ切っていたルージュスエルテが出遅れたこともあり、モリノレッドスターが無理に抑えず、自然体でハナへ。ただ、2ハロン目以降、極端にペースが緩んだ区間はなし。全体の流れとしてはスローでも、上がりだけが速い瞬発力比べとはならず、引き締まった展開に。人気上位馬が馬券圏内を占める結果になりました。

 

 

 

 

【レース分析】 勝ったクイーンズウォーク(1番人気)は体重から受ける印象よりスラッとした体形に映りましたが、返し馬では兄のグレナディアガーズと同様、パワフルなフットワーク。スタートは互角でも出たなりの位置でスムーズに折り合い、むしろ勝負どころでは少し鞍上が促している感じも。それでも、直線で馬群の外に進路を取ると残り2ハロンから一気に加速し、前を捉え、後続の追撃も抑えました。

 

 

 

 「返し馬を無事に終えられて成長を感じたので、自信を持ってあの競馬をしました。今回は1600mを走らせたかったわけではなく、ここがいいのかなという思いでこの番組を選択し、先につながる競馬をしましたとレース後に川田将雅騎手はコメント。今後に向けてのローテーションやオークスを睨んで輸送、コースを経験することも考えての参戦だったと思われますが、未勝利を勝ったばかりで人気に応え、期待通りの結果を出すのですから、やはり素材は一級品。ラストに長く脚を使ったレースぶりや体形からは中距離以上がベストの印象を受けましたが、桜花賞も舞台は阪神の外回りですから、能力発揮に支障はないでしょう。

 

 

クイーンズウォークの4代血統表

 


②着アルセナール(3番人気)は若干、アオり気味のスタートでも二の脚が速く、馬群の内めで好位置をキープ。手応え良く直線を向きましたが、初戦と同様に追われても瞬時には反応できず。④⑦着馬の間に挟まって窮屈になるシーンもありましたが、進路ができるとゴール前で鋭い脚を使ったのも前走と同じ。こちらは勝ち馬より切れる印象で、距離はマイルがぴったりでしょうし、キャリア2戦目での惜敗には良化の余地も感じられました。③着のルージュスエルテ(4番人気)はメンコを着用してパドックから落ち着いた雰囲気。ただ、それもあってかスタートで出遅れ、鞍上も腹を括ったようで道中は最後方。そこから馬群の大外を回り、一瞬は突き抜けそうな脚勢でした。大味な競馬になったので、さすがに最後は脚が鈍りましたが、潜在能力の高さを示すには十分な内容。乗り方の難しさが課題でもマイルの距離にはメドが立ちましたし、今後も目の離せない存在となりました。

 

 

 

一方で2番人気に支持されたサフィラは⑨着。10キロ減の体重でも細くは見えず、スタートも良く流れに乗っていましたが、追って伸びませんでした。レース前から少し気になっていたのはアルテミスS→阪神JF、そして今回と高水準の重賞が続いた点で、若い牝馬には厳しいローテーションだったかもしれません。幸い、桜花賞までは少し間隔があるので、うまく立て直しを図れれば、本番での巻き返しは可能でしょう。当日版で自分が◎にしたテリオスサラは⑦着で、今回はスタートも決まりましたが、そうなると切れる脚は使えないよう。現段階では上位馬と決め手の差を感じました。

 

 

 

text by 五十嵐 友二

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

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