競馬 研究ニュース

第31回チューリップ賞回顧

 

 

2024年3月2日(土) 1回阪神3日

 阪神は29日(木)に23ミリのまとまった雨。芝レースは終日稍重で行われた。レースラップは前半34秒5─中盤23秒2─後半35秒4。注目すべきは中盤の11秒5─11秒7。ここが共に12秒を切ったのは過去10年で2021年メイケイエールが勝った年だけ。他はいずれも12秒台だけにレアケースといえる速いラップ。しかも、メイケイエールの時は前半が12秒9─11秒6─11秒8のスロー。今年の方がラップ的な価値は高い。ラストは12秒台と、このレースとしては珍しくかかったようにタフな競馬になった。

 スウィープフィートは出遅れて、行く気もなく後方から。4角で大外を回して直線へ。ラスト2ハロンからの伸びは上々。バラける形になってスムーズに折り合えたし、上がりのかかる流れになったのも良かったが、最後は突き放す完勝。「最後どれだけ脚を使えるかと思っていましたが、思っていた以上でした。強かったですね。本番と同じ条件でトライアルを勝てたので当然期待しています」と武豊騎手。

 セキトバイーストはこの緩みのない流れのなか、直線ラチ沿いで粘りに粘って②着。出脚は内のワイドラトゥール、ミラビリスマジックの方が速かったが、「1400mに使われていたので馬のリズムを崩さないように、折り合いだけ気をつけていました。馬の行く気に逆らわないように運んだら、いいパフォーマンスを見せてくれました」と藤岡佑介騎手。馬任せで途中からハナに立つ。地力が問われるレースラップで力を示した。エルフィンSの予定が熱発でここへスライドとなったが、見事に桜花賞の権利を獲得。

 ③着には15番人気のハワイアンティアレが入り、ここまでが桜花賞の優先出走権を得た。道中は勝ち馬の前の列。内めに入ってコースロスなく乗られ、直線は馬群の中を伸びてきた。流れも向いたが、時計を大幅に短縮しており、西村淳也騎手も「期待していました」と決してフロックではなかったようだ。

 タガノエルピーダは不利な大外枠。それでも道中は3番手につけて、直線半ばで外から勝ち馬が来た時には一瞬伸びかけたが……。「ペースが速かったのもあるでしょうし、休み明け、大外枠もありましたが、今日は結果を出さないといけないレースだっただけに、申し訳ありません」と団野騎手。ミラビリスマジックはこの速いペースで抱えるところがなかったか。「流れに乗せていく競馬を心掛けていたのですが、途中で脚がためにくかったですね。忙しい感じになってしまいました」と田辺騎手。人気の一角スティールブルーは好スタート。好位で運んで、3角からはタガノエルピーダをマークする形に。いい感じで直線に向いたが、いざ追い出されると伸びを欠いた。ちょっとペースが速かったか。馬体は昨夏デビューした時と同じ430㎏。もう少し成長を待ちたい。

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。