3月17日(日曜)に中山競馬場で皐月賞トライアル第73回GⅡスプリングS(芝1800m・3歳・馬齢重量・晴れ・良馬場)が行われた。優勝したのは単勝1番人気に支持されたシックスペンス。管理する美浦・国枝栄調教師は当レース初勝利。騎乗したC.ルメール騎手は2勝目となった。この結果、シックスペンスアレグロブリランテルカランフィーストの3頭が皐月賞の優先出走権を獲得した。シックスペンスは北海道安平町ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)キャロットファーム。

 

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

 

 

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【展開・ペース】 アレグロブリランテがハナを切り、コスモブッドレアが2番手追走。強風の影響か、道中で動く馬もおらず、1000m通過は63秒1という超スローペース。4コーナーを5番手以内で通過した馬が掲示板を占める結果となりました。

 

 

 

【レース分析】 シックスペンス(1番人気)は余裕のあった体がグッと締まり、ハツラツとした動き。トライアルだけに前走時より一段上の仕上がりに映りました。とにかくレースセンスが抜群に良く、C.ルメール騎手は前に風除けを作り、折り合いもスムーズ。直線は強い追い風だったとはいえ、急坂の待つ中山でラスト2ハロンは10秒9→10秒8。着差の開きづらい遅い流れを考慮すると後続を3馬身半離したパフォーマンスは圧巻の一語。一躍、皐月賞の本命候補に浮上しました。

 

 

 

 「風が強かったために向正面でペースが落ちていましたからね。早めに外に出して動いていきました。反応が良かったですし、楽に抜け出して強かったです。とても乗りやすいですし、2000mは勿論のこと、それ以上の距離もこなしそうです。とてもいい3歳馬なので、この先の活躍が楽しみですとレース後にC.ルメール騎手はコメント。無傷のまま3連勝を達成。しかも、今回は他馬が霞んで見えるほどのワンサイド勝ちでした。目一杯に仕上げた印象もなく、更に上昇が見込め、昨年のソールオリエンスに続く無敗での皐月賞制覇というシーンが見られるかもしれません。

 

 

シックスペンスの4代血統表

 


アレグロブリランテ(9番人気)は前回で成長した馬体を維持し、テンションも上がっていませんでした。展開の恩恵はありましたが、直線はコスモブッドレアとの追い比べを制して②着に好走。スローの逃げに持ち込めたとはいえ、踏ん張った点は立派です。ルカランフィースト(4番人気)はテンションが上がらず、軽快な脚捌き。内枠を生かして好位のインを追走。ソツのないレース運びができましたし、皐月賞の権利がかかっていることを考えると大きなハナ差でした。

 

 

 

チャンネルトンネル(6番人気)は少しうるさい面を見せていましたが、気力は旺盛。歩様にもっと伸びやかさが出るといいのでしょうが、気配自体は良かったですね。脚を余した前走の轍を踏まないように、スムーズなレースはできました。ただ、直線では外にヨレるシーンがあったりと、まだ完成途上の印象。その分、伸びしろがあるとも考えられます。コスモブッドレア(7番人気)は直前にビシッと追い切られても体が減っておらず、落ち着きもありました。スローペースの2番手と理想的なレース運びでしたが、上がりの速い決着は、少し不向きだったのではないでしょうか。

 

 

 

text by 京増 真臣

 

 

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