3月24日(日曜)に中山競馬場で第31回GⅢマーチS(ダ1800m・4歳以上・ハンデ・曇り・良馬場)が行われた。優勝したのは単勝7番人気のヴァルツァーシャル。管理する美浦・高木登調教師、騎乗した斎藤新騎手ともマーチSは初勝利。ヴァルツァーシャルは北海道浦河町梅田牧場の生産馬。馬主はウエスト.フォレスト.ステイブル(株)。

 

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

 

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【展開・ペース】 大方の予想通り、ミトノオーがハナを切りました。向正面に入るとリードを広げてケレン味のない逃げ。勝ちタイムが速く、前後半の4ハロンを比べるとイーブンに近い数字でしたが、良馬場で1000m通過60秒9は速いペースだったと考えていいでしょう。

 

 

 

【レース分析】 ヴァルツァーシャル(7番人気)は馬体に重厚感があって、一歩一歩、歩様は力強かったですね。上々の仕上がりでした。トップスタートを決めたことが勝因のひとつ。他馬の出方を窺いながら無駄な脚を使わず、ニュートラルな状態で中団のインをキープ。内で脚をためて、3〜4コーナーでスムーズに外へ出すと、弾けるように突き抜けて快勝。馬自身も力をつけているのは間違いありませんが、斎藤新騎手の好騎乗も光りました。

 

 

 

 「いつもよりスタートを上手に出ましたし、あのポジションでレースを進めました。3~4コーナーの手応えが凄く良かったので、届くと思いました。レースを見て力のある馬だと思っていましたが、脚の使いどころが鍵だと思っていたので、僕の仕掛けひとつだと思っていましたが、スタートをうまく出たので、レースを組み立てやすかったです。1週前に調教に乗せていただきましたが、サラッと感触を確かめて、仕掛けていけば、どこまでも伸びるといった感じでしたし、凄く充実していますね。乗り手に従順で乗りやすいですし、何ひとつ言うことありません。これから、もっと強くなると思いますとレース後に斎藤新騎手はコメント。高木厩舎といえばサウンドトゥルー、ホワイトフーガ、ウシュバテソーロでダートのGⅠ競走のタイトルを獲得。鞍上もコメントした通り、ヴァルツァーシャルは今、充実一途と言える状態。重賞制覇を弾みに先輩に続くような活躍を見せてほしいところです。

 

 

ヴァルツァーシャルの4代血統表

 


ミトノオー(4番人気)は攻めをしっかりやって馬体重はプラス16キロ。これは成長分ですね。パドックではホライゾネットを着けて、テンションも我慢できていました。外枠から二の脚を利かせてハナを主張。リードを保って直線を向いた瞬間は逃げ切ったと思いましたが、勝ち馬の瞬発力が上でしたね。とはいえ、良馬場で1分50秒7という勝ちタイムは優秀。好時計決着を演出し、③着には3馬身差をつけたわけですから負けて強しと言えます。ペイシャエス(2番人気)はハツラツとした動きで体調は良さそうでした。主導権を握ったトノオーの動きに合わせて2番手を確保。ミトノオーを深追いせずに運び、直線でも渋太く粘って③着。近走、思うようなローテーションを組めず、しばらく勝ち鞍から遠ざかっていますが、改めて地力の高さを示しました。

 

 

キタノヴィジョン(9番人気)はパドックの外めを勢いよく周回し、歩様もパワフルでしたね。叩いた上積みが感じられました。終い勝負に徹し、後方のインを進み、直線はしっかり脚を使っていますが、時計が速過ぎた面もあったでしょうか。ラインオブソウル(12番人気)は大型馬でプラス体重でも太め感はなく、活気十分。5、6番手のインを進み、3〜4コーナーでは鞍上の手が激しく動いていましたが、手応え以上に渋太く、入着を果たしました。オープンにメドを立ちましたし、重賞で戦った経験は今後に生きそうです。

 

 

 

text by 京増 真臣

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

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