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第84回桜花賞 回顧

 

 

2024年4月7日(日) 2回阪神6日

 前半34秒5、46秒3─後半45秒9、34秒1の平均ペース。21年の桜花賞レコードには及ばなかったが、昨年のリバティアイランドと0秒1差の1分32秒2。特別に速い馬場だったわけでもなく、全体に締まった流れでレースレベルは上々。上位馬の実力は素直に評価したい。また、直前の9R10Rと直線は外を通った馬が上位に来ており、直線内の数頭分は今ひとつの状態に映ったし、実際に桜花賞も外伸び競馬になった。ハナは大方の予想通り、ショウナンマヌエラ。キャットファイト、コラソンビート、エトヴプレと続く。ステレンボッシュはスタートで外にヨレて接触。中団馬群の後ろから。ただ、前には2歳女王アスコリピチェーノがいた。3角過ぎに折り合いを欠いていたキャットファイトとアスコリピチェーノの間に入っていくあたりにモレイラ騎手の技術が窺える。「4角で少し手応えが苦しい部分があり、そこで勝ち馬に割って出られる形に」と北村宏司騎手が話しているように、アスコリピチェーノも必死に内のステレンボッシュを閉じ込めようとするが、手前が替わり外に少し膨れた隙を名手モレイラは見逃さなかった。馬自身の反応も素晴らしくここで一気に前に出て勝負を決めた。阪神JFの①②着が入れ替わる形でステレンボッシュが一冠目を奪取。これで前哨戦を使わずに阪神JFから直行した馬が前4年で3勝。②着馬も同様のローテーションだし、直行はむしろプラス材料とさえ言える。

 ②着にはアスコリピチェーノが入った。「4角で少し手応えが苦しい部分があり、そこで勝ち馬に割って出られる形に。勝ち馬との着差はそこが勝負どころだったかなと思います」と北村宏司騎手。スタートも今ひとつだったが、十分に地力は示している。ライトバックもゲートは今ひとつで無理せず後方2番手から。「ポジションは気にせず、この馬のリズムで運び、前回より折り合いに進展が見られました」と坂井騎手。4角では最後方に位置して終いに賭け、直線は大外へ。同じような競馬をしていたスウィープフィートと一緒によく伸びてきたが、③着まで。テンションが高く、距離が延びた場合、更に折り合いがポイントになりそう。

 スウィープフィートは外にいたライトバックに蓋をされた分、直線で内へ進路を取らざるを得ず、馬群を捌くのに手間取った。スムーズならもっと際どかったはず。今年の桜花賞は外差し競馬になったわけだが、そんな中で好スタートを切り、外枠から先行したエトヴプレ。藤岡康太騎手が前日に落馬負傷したために鮫島克駿騎手に乗り替わり。「藤岡康太さんを含め、チームでここまできて、バトンを受け継ぎましたので、悔いのない騎乗をしようと思っていました。力は出し切れたと思います」とのコメントは、レース内容と合致して説得力がある。最後の坂に入ってからも渋太く踏ん張っており、初マイルで予想以上の走りだった。

 クイーンズウォークは枠なりにラチ沿いを進む形。直線はエトヴプレを追いかける形からその内を突いて一瞬伸びかけたが、ラスト1ハロンで切れ負け。連勝時と違って揉まれる形で、外が伸びる馬場だったことを考えると力負けとまでは言えない。川田騎手の「これをいい経験として、次へ向けていい準備ができればと思います」の通りでは。オークスでの巻き返しに期待。チェルヴィニアは結果的に見れば大外枠が響いた。この地力を問われる厳しいペースで、外から徐々にポジションアップしているのだから難しかったはず。直線では挟まれる不利もあったが、脚もあまり残っていなかった。

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。