5月21日(日曜)に東京競馬場で行われた第84回GⅠオークス(芝2400m・3歳・牝馬・晴れ・良馬場)は1番人気に支持されたリバティアイランドが優勝した。管理する栗東・中内田充正調教師はオークス初勝利。騎乗した川田将雅騎手は12年にジェンティルドンナで勝利しており、2勝目となった。リバティアイランドは北海道安平町ノーザンファームの生産馬。馬主は㈲サンデーレーシング

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

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【展開・ペース】 1枠に入ったライトクオンタム田辺騎手が鞍上。こういうレース運びもあるかもしれないと、戦前に考えてはいましたが、内枠からスタートを決めてハナを奪いました。1000m通過は60秒0という締まったペースに。その結果、地力を問われるオークスとなりました。

 

 

【レース分析】 リバティアイランド(1番人気)はパドックに入ってきた当初は、いくらかうるさい仕草を見せていました。ただ、すぐに落ち着きを取り戻すと、全身を無駄なく使って雄大で堂々と歩けていましたね。いい仕上がりでした。今日はスタートもまずまず。ポジションを取りにいったことで、1コーナーに入るあたりでは、行きたがるような素振りを見せましたが、そこから折り合いに専念。リズム良く走ることができました。直線に向いてスムーズに進路を確保すると、抜群の手応えから弾けるように突き抜けて6馬身差の圧勝。桁違いの強さでした。2.23.1という勝ちタイムはラヴズオンリーユーに次ぐオークス史上2位。順調なら秋華賞で3冠達成が期待されますが、もしも凱旋門賞に出走しても馬場さえ良ければ、いい勝負になるのでは。そんな思いを抱きました。

 

 

 「東京までの輸送や桜花賞を使って大分テンションが上がっている状況だったので、何とかなだめながらレースに臨みましたが、リズム良く走ることができました。今後のためにも2400mを走り切ってどういう動きをするか試したかったので、差がつくのは分かりましたが、最後までこの馬の動きを求めました。僕が共同会見でお願いした、発走の時に歓声を2秒待ってほしいということを競馬場の皆さんに聞いていただき、そのおかげで安全なスタートが切れたことをとても有り難く思っています。この馬にかかわるすべての方々がとても神経を擦り減らし続けたと思います。僕は最後にレースであったり追い切りに跨るくらいで、日々の皆さんの積み重ねでこの子がたくさんのことを学び、二冠馬にまでなってくれたことで本当にホッとしています。無事に春の二冠を取ることができましたし、このまま順調に次に向けていければと思います」とレース後に川田将雅騎手はコメント。②着につけた6馬身という着差はグレード制導入後ではジェンティルドンナの5馬身を上回る史上最大着差。記録にも記憶にも深く残るレース運びで春2冠を手中に収めたリバティアイランドがこの先、見据えるのは一体どこなのか。その動向から目が離せませんね。

 

リバティアイランドの4代血統表

 

 ハーパー(2番人気)はプラス体重でしたが、桜花賞よりも体は締まって見えました。また動きには柔らかみがあり、こちらも気配は上々。道中はリバティアイランドの直後でピタリとマークしていましたが、直線に入ると、あっさり突き放されてしまった。それでも、多少、反応の鈍さを見せつつも、最後まで渋太く脚を伸ばして混戦の②着争いを制しましたドゥーラ(15人気)はテンションが上がらず、まずまずの気配。この馬はパドックよりも実戦で良さが出るタイプですね。これは覚えておきたいところ。終い勝負に賭けて、リバティアイランドに次ぐ上がり3ハロン34秒1を駆使して②着争いを演じました。ハーパーに並びかけたところで、同じ脚いろになりましたが、距離が延び、地力勝負となったオークスで、札幌2歳Sを制した脚力を示しました。

 

 

 ラヴェル(10番人気)はまだ華奢で心身とも成長の余地は十分にありそう。そんな中でも馬体を維持してテンションは上がらずレースに臨めました。最内枠をフルに生かし、厳しい流れの中、積極的に運んで見せ場十分。ただ、勝ち馬が強過ぎましたね。とはいえ、アルテミスSでリバティアイランドを破った実績は伊達ではありません。秋以降の飛躍を期待したいところです。シンリョクカ(7番人気)はベストターンドアウト賞を受賞。大変、キビキビとしたリズミカルな周回。プラス8キロも好材料。気配は絶好でした。②着馬と同じポジションを取りましたが、外枠だった分、ハーパーよりも外を回らされてしまいました。結果はハーパーと0秒3差ですから、枠順がもう少し内であればその差は詰まったはず。こちらも成長するこれからが楽しみですね。

 

   

text by 京増 真臣

 

 

 

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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