4月20日(土曜)に福島競馬場で行われた第21回GⅢ福島牝馬S(芝1800m・4歳以上・別定・晴れ・良馬場)は1番人気に支持されたコスタボニータが優勝。管理する栗東・杉山佳明調教師、騎乗した岩田望来騎手とも当レースは初勝利。この結果、コスタボニータがGⅠ ヴィクトリアマイルの優先出走権を獲得した。コスタボニータは北海道千歳市社台ファームの生産馬。馬主は谷掛龍夫さん。
それでは、レースを振り返っていきましょう。
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【展開・ペース】 好スタートを決めたウインピクシスが他馬の機先を制するように先手を主張。2ハロン目は11秒1と速かったですが、以降はペースが落ち着き、前半4ハロンが47秒8に対して、後半は46秒6のスローペース。芝は仮柵を設置したBコースに替わったこともあり、先行、内有利の決着となりました。
【レース分析】 勝ったコスタボニータ(1番人気)は遠征競馬が続いていましたが、馬体重に変化もなく好仕上がり。最内枠から序盤の入りもスムーズで、難なく好位のインを確保して道中の手応えも十分でした。直線では②③着馬の間で挟まる形になり、外に立て直すロスがあって、小回りでは致命的か、と思わせるくらいの不利がありましたが、そこから鋭く伸びて、先に抜け出した②着馬を交わしたところがゴールでした。
「1週前追いの感触や返し馬の雰囲気が良かったですし、いい形でレースに臨むことができました。今の馬場は内有利ですから、枠順が出た段階で、いい勝負ができると思っていました。4角や直線がスムーズにいかず、②着までかと思いましたが、最後は頑張ってくれた馬に感謝したいです。レースセンスが良く、一瞬の脚もあります。これからもっと強くなってくれると思います」とレース後に岩田望来騎手はコメント。確かに立ち回りが上手にこの馬に、最内枠は大きな味方になりましたが、普通なら届かなくても仕方ないパターンになりながら、見事に勝ち切った決め手は今までに見られなかったもの。次走が出走権を獲得したヴィクトリアマイルだと相手強化、東京コースの瞬発力比べが大きな課題になりますが、一概に軽視するのは危険かな、というのが正直な感想です。
②着のフィールシンパシー(8番人気)は外枠から積極的にポジションを取り、終始、勝ち馬の一歩前でレースを運ぶ形。直線でもしっかりと伸びて③着馬は捉えました。勝ち馬には不利があったことを考えると、クビ差でも現状の力比較では分が悪いですが、マイルが最適なイメージがあった馬が中山牝馬S④着に続いて、1周競馬の1800mで結果を出した点は収穫。今後もGⅢなら上位候補になるでしょう。③着ウインピクシス(5番人気)は久しぶりに先手を取れましたし、昨年のクイーンSでは2番手からの競馬で勝ち馬に先着していますから、力を出せれば馬券圏内に粘ったのも納得の結果。小回りコースが合うことも再確認できました。
以下で触れておきたいのは⑥着のタガノパッション(4番人気)で、ためる形で一瞬の脚を生かしたいタイプが、スタートで後手に回って馬群の外を追い上げては、直線で伸び切れなくても仕方のないところ。今回は持ち味を発揮できなかったと見るべきでしょう。また、2番人気で⑪着のグランベルナデットなど、道中のアクシデントに巻き込まれてしまった馬も、当然、今回は参考外の一戦といえます。
text by 五十嵐 友二
※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。