5月12日(日曜)に東京競馬場で行われた第19回GⅠヴィクトリアマイル(芝1600m・4歳以上・牝馬・定量・曇り・良馬場)は14番人気のテンハッピーローズが優勝。管理する栗東・高柳大輔調教師は当レースは初勝利。騎乗した津村明秀騎手はJRA GⅠ初勝利となった。テンハッピーローズは北海道千歳市社台ファームの生産馬。馬主は天白泰司さん。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

 

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【展開・ペース】 大方の予想通り、コンクシェルがハナを切りましたが、フィールシンパシーがプレッシャーをかけたことで前半の半マイル通過は45秒4。戦前の見立てより速いペースとなりました。

 

 

 

 

【レース分析】 テンハッピーローズ(14番人気)はテンションが上がらず、脚運びはスムーズ。体調は良く映りました。ゲートを出たなりで後方を進み、脚が溜まっていましたね。直線は外から弾けるように抜け出して快勝。レースが終わってから勝因を探せば、ヴィクトリアマイルはストレイトガールが連覇するように、Bコース替わりでスピードが問われるレースの質がテンハッピーローズに合ったのではないでしょうか。マイルより短い距離に良績があり、左回りもベスト。ハイペースで展開が嵌まり、外をスムーズに運べたのもいい方に出ました。

 

 

 

 

 「無我夢中でした。直線が長く感じて必死に追いました。人気はなかったですが、チャンスはあると思っていたし、たくさんの人に支えてもらってきたので、頑張りがここで(結果に)出て良かったです。GⅠを勝てないかもしれないと思いましたが、諦めちゃ駄目だと、GⅠに出られるように小さいレースから頑張ってきました。家族の支えが本当に大きかったです。左回りの方がいいのは分かっていましたし、この馬の末脚を信じていました。4角までうまくいって、最高の形で直線に向かえましたね。(今日初めてGⅠを勝って)これで終わりではなく、またGⅠを勝ちたいです」とレース後に津村明秀騎手はコメント。テンハッピーローズは昨年の6月からコンビを組み続けている津村騎手に導かれてGⅠ制覇。一気にマイル女王の座に駆け上がりました。この勝利で11月にアメリカ・デルマー競馬場で行われるBCフィリー&メアターフの優先出走権を獲得。陣営は参戦に前向きな姿勢を示しており、この先も目が離せません。

 

 

テンハッピーローズの4代血統表

 

 

 フィアスプライド(4番人気)はマイナス8キロと無駄肉を削いで、素軽さがアップ。スタートを決め、内枠を生かした最高の立ち回り。結果的に勝ち馬の瞬発力に屈しましたが、速いペースの中、正攻法のレース運びで中身の濃い②着。力を示しました。マスクトディーヴァ(1番人気)は歩様に勢いがあり、数字以上に体を大きく見せて絶好の気配。直線に向いてから進路が塞がる致命的な不利がありながらも、最後はもう一度盛り返して伸びてきました。スムーズならと悔やまれる③着でしたね。

 

 

 

 ドゥアイズ(11番人気)は馬体にボリューム感があって身のこなしも滑らか。直線はマスクトディーヴァをブロックするようにして伸びて見せ場十分の④着。ルージュリナージュ(13番人気)はテンションが上がらず、スラっとした造りで、脚取りは軽やか。出遅れてしまいましたが、例によって後方待機策。メンバー最速の上がりをマークして伸びており、展開ひとつでこれくらいは走れる馬です。ナミュール(2番人気)は堂々として落ち着きがあり、452キロと輸送しても馬体をキープ。気配は良かったですね。スタートで立ち遅れましたが、逃げ馬がハイペースで飛ばしていたこともあって昨年の富士Sのように弾けても良かったんですが・・・。海外遠征帰りでもあり、本調子にはなかったのでしょうか。

 

 

text by 京増 真臣

 

 

   

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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