5月19日(日曜)に東京競馬場で行われた第85回GⅠ優駿牝馬(オークス)(芝2400m・3歳牝馬・馬齢重量・曇り・良馬場)は2番人気に支持されたチェルヴィニアが優勝。管理する美浦・木村哲也調教師はオークス初勝利。騎乗したC.ルメール騎手は通算4勝目となった。チェルヴィニアは北海道安平町ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)サンデーレーシング

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

 

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【展開・ペース】 ショウナンマヌエラがハナを奪いましたが、ヴィントシュティレが並びかけて競り合うような格好となり、前半1000m通過は57秒7の超ハイペース。ただ、前の2頭だけが飛ばしているだけで、離れた3番手以降は平均〜スロー。7〜9ハロン目が12秒8ー12秒9ー13秒4とラップがガクッと落ちたことで、実質は直線に向いてからの瞬発力勝負となりました。

 

 

 

 

【レース分析】 チェルヴィニア(2番人気)は2人引きでもテンションが上がることはなく、桜花賞の時よりもグッと馬体の張りが良くなって上積みは十分。ゲートを出てからはポジションを取りには動かず、ステレンボッシュをマークしつつ、じっくり運んで脚を温存。ラスト2ハロンで追い出すと、弾けるように突き抜け、先に内から抜けだしたステレンボッシュを交わしました。前走に関しては長期のブランク明けに加え、栗東に入厩もナーバスな面を出したようで調整も難しかったとのこと。調子を上げた今回は本来のパフォーマンスを発揮することができました。とはいえ、短い期間できっちりと立て直した厩舎力、そしてC.ルメール騎手の手腕も光りましたね。

 

 

 

 「アルテミスSを勝った時に高いポテンシャルを見せてくれて、絶対クラシックに行けると思っていました。残念ながら桜花賞ではいい結果を残せませんでしたが、今日は勝つ自信がありました。今回は2400mでしたので、3~4コーナーまでは我慢して運んで、直線では凄くいい脚で伸びてくれました。本当に良かったです」とレース後にC.ルメール騎手はコメント。桜花賞で大敗を喫しながらも鮮やかに一変しての戴冠は2013年のメイショウマンボ(桜花賞⑩着)以来。性能の高さと言うのは簡単ですが、1度、リズムが乱れてしまった牝馬をオークスまでの期間で勝てるレベルまで復調させるのは容易ではありません。木村厩舎、そして牧場も含めた携わるスタッフの方の手腕がこの快挙を演出したのは言うまでもありません。

 

 

チェルヴィニアの4代血統表

 

 

ステレンボッシュ(1番人気)は堂々としており、落ち着きがありました。体には無駄肉がなく、脚捌きもシャープ。完成度が高いですね。スタートが決まり、無理をせずに中団を追走。勝ち馬と遜色のない脚は使っていますが、4コーナーで若干動きづらい場面がありました。その分の差も出たように感じました。ライトバック(3番人気)は返し馬までホライゾネットを着用。テンションは我慢できていたように映りました。馬体の張りが良く、脚取りも軽快。後方で折り合いをつけて直線に賭けるレース。最後は目立つ伸びを見せたものの、上位2頭の上がりは上回ることができず、いくらか水を開けられました。


 

 

クイーンズウォーク(5番人気)は牝馬とすれば馬格に恵まれ、8キロ増でも太め感はなく、身のこなしは滑らか。当日の馬場傾向を踏まえ、内枠からポジションを取りにいって5番手を追走。絶好のレース運びで、一旦は先頭に立つシーンを作りましたが、着差を考慮すると上位2頭とは現時点で地力の差があるようです。ランスオブクイーン(14番人気)は少しテンションが高かったですが、今年5戦目ながら柔らかみがありました。積極果敢なレース運びで見せ場は作り、重賞に初挑戦ながらこれだけ走れば立派ですね。レース中盤でペースが緩んだことで、決着タイムは2分24秒を切ることはできませんでしたが、3歳牝馬路線はレベルが高く、その中でもステレンボッシチェルヴィニアアスコリピチェーノの3頭は総合力が抜けている印象。秋は3頭の再戦が見てみたいものです。

 

 

 

text by 京増 真臣

 

 

   

 

 

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