6月2日(日曜)に東京競馬場で行われた第74回GⅠ安田記念(芝1600m・3歳以上・定量・小雨・稍重馬場)は1番人気に支持されたロマンチックウォリアーが優勝。管理する香港・C.シャム調教師、騎乗したJ.マクドナルド騎手とも安田記念は初勝利。ロマンチックウォリアーは愛国・コーダフスタッドの生産馬。馬主はP.ラウさん。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

 

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【展開・ペース】先手候補と目されたウインカーネリアンのスタートが若干悪く、ドーブネがハナ争いを制しました。前半4ハロン通過は46秒4。平均ペースで推移しました。


 

 

 

 

【レース分析】 ロマンチックウォリアー(1番人気)は筋骨隆々の造り。歩様は力強く、気配は良く映りました。上々のスタートから好位集団に収まり、脚もためて追走。中距離を中心に使われてきましたが、マイルでも行きっぷりは良かったですね。直線に向くと外からステラヴェローチェにブロックされましたが、そのプレッシャーを跳ね返すように進路を確保すると、ナミュール以下の追い上げを危なげなく振り切りました。ライバルが迫って来れば来るだけ伸びており、着差以上に強い勝ち方。香港で、オーストラリアでGⅠを勝ち続けてきた地力は伊達ではありませんでした。

 

 

 

 「厩舎スタッフが素晴らしい仕事をしてくれたおかげで、ロマンチックウォリアーの強さを日本のファンの皆様に見せることができたことを誇りに思います。スタートが良く、プラン通り中団より前の位置につけることができましたし、直線での反応も良かったです。(これでGⅠ5連勝ですが)いかなる状況にも対応できるタフさがあり、まさにチャンピオンホースだと思います。これが日本での初勝利となりましたが、今後もここで勝利を積み重ねていけることを願っています」とレース後にJ.マクドナルド騎手はコメント。レース前からグッと気合が乗っており、本馬場入場では少し行きたがるほど。その前向きさがいい方に出て、中距離ランナーとは思えぬ出脚の良さから難なく好位を確保。ペースも上がらず、今振り返るとこの時点で勝負あり。直線は世界レベルの強豪を競り負かして連勝してきた無類の勝負強さを発揮して後続を完封。これでGⅠ5連勝。最盛期を迎えており、秋のローテーションは勿論、再び来日するのかどうかなどその動向に世界中の競馬ファンが注目しています。

 

 

ロマンチックウォリアーの4代血統表

 

 

②着のナミュール(4番人気)は中2週、続けての東京遠征でもテンションは上がらず、馬体もキープ。脚捌きも軽快でした。スタートがゆっくりだったため、後方待機策。レースの上がり3ハロンを1秒凌ぐ末脚を駆使し、まとめて交わしそうな勢いでしたが、今回に関しては相手が一枚上でしたね。ハイペース、消耗戦となっていればまた結果は違ったかもしれませんが、ヴィクトリアマイルこそ敗戦を喫しましたが、改めて能力の高さを示しました。ソウルラッシュ(2番人気)は馬体に重厚感があり、パドックでは力強い、迫力満点の周回。ゲートを出たなりに中団を追走。道中はスムーズに折り合って運べました。外に進路を確保し、しっかり脚を伸ばしてきましたが、③着まで。どうしてもGⅠではあとワンパンチが利かない印象です。


 

 

④着ガイアフォース(5番人気)は多少、うるさい仕草を見せていました。ただ、前回のフェブラリーSは二人引きだったのに対し、今回は一人で引けていたようにテンションは我慢できていました。体の造りは逞しく、脚取りもパワフル。仕上がりは良かったですね。直線に向いてから若干追い出しを待たされたように内枠が災いした面はありましたが、進路ができてからは脚を使って差を詰めてきました。セリフォス(3番人気)は前回、少し立派だった体がグッと締まり、柔らかい身のこなし。デキは申し分ありませんでしたが、直線で内にモタれたあたりは緩くなった馬場が影響した印象。身上の鋭さが生きる良馬場であれば結果は違ったはずです。◎に推したドーブネ(15番人気)は中山記念より落ち着きがあり、無駄肉のない造り。なかなかシャープな脚捌きも光りました。想定していたレースはできたものの、渋った馬場が合わなかった印象。開幕週だった前回は東京コースに対応できましたが、今回は直線で空回りする感じ。週中から天気、馬場の予想も難しく、厳しいレースとなってしまいました。

 

 

text by 京増 真臣

 

 

   

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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