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第19回 キーンランドC 回顧

 

 

 8月25日(日曜)に札幌競馬場で行われたサマースプリントシリーズ第5戦。第19回GⅢキーンランドカップ(芝1200m・3歳以上・別定・晴れ・良馬場)は2番人気に支持されたサトノレーヴが優勝。管理する美浦・堀宣行調教師、騎乗したD.レーン騎手ともキーンランドCは初勝利。サトノレーヴは北海道日高町白井牧場の生産馬。馬主は里見治さん。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

 

 

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【展開・ペース】 先手候補と思われたシナモンスティックは行き脚がつかず、好ダッシュを見せたエトヴプレも一旦は前に出ましたが、逃げたくはなかったようでブリンカーを着用していたセッションが押し出されるようにハナへ。前半3ハロン33秒6は今の時計の速い札幌芝コースで、3歳以上のGⅢとしては落ち着いた流れ。そのため3~4コーナーでは馬群が密集する形になり、その外を回る差し・追い込み型には厳しい展開となりました。

 

 

 

 

【レース分析】 本紙で◎にしていたサトノレーヴ(2番人気)は16キロ増の体重でも太め感はなく、一段と逞しさを増した体つき。レースでもこちらの期待していた通りに前を見る位置を難なくキープ。終始、余裕のある手応えから直線で危なげなく抜け出し、ゴールでは後続に1馬身半の着差をつけていました

 

 

 

 「強い馬です。今日は勝つことだけを目指して乗りましたが、直線で抜け出したところで勝てると思いました。札幌競馬場で騎乗するのは今週が初めてでしたが、他に乗ったことのある日本の競馬場と比べてコーナーがタイトでも、走りやすくて、いいコースだと思います」とレース後にD.レーン騎手はコメント。馬の状態の良さも目立ちましたが、スタートからゴールまで、まったくロスのない騎乗で勝利に導いた鞍上のエスコートもさすが。厩舎が目標のGⅠを約1カ月後に控えながら、夏場にGⅢの連戦を選択した段階から馬が完成期に入ったことを感じていましたが、その見解が正しかったことを証明してくれる見事な勝ちっぷり。勿論、次のスプリンターズSでも、かなり有力な優勝候補に浮上してきました

 

サトノレーヴの4代血統表

 

 

 ②着エイシンスポッター(8番人気)は追い込み一手の印象があり、流れが落ち着くとどうかと思う反面、この鞍上ならと考えて△をつけておきました。序盤で内に進路を取り、早めに中団まで押し上げた立ち回りはまさにモレイラマジック。直線でも勝ち馬の直後に誘導したのでスムーズに進路が開き、最後までしっかりと伸びていました。巧みな手綱捌きは見事でしたし、勝ち馬に騎乗経験があったことも、それを可能にした要因のひとつでしょう。また、臨機応変なレース運びに対応した馬の能力の高さも改めて感じました。③着オオバンブルマイ(7番人気)は初めての1200mへの対応が鍵と見ていましたが、最内枠から思い切った待機策を選択すると、直線では馬群の外から1頭違うような伸び。展開を考えると価値のある内容でしたが、今回の流れで前半、ついて行けなかったことを考えると、ベストは1400mくらいの感も。そのあたりは次走以降で判断したいと思います。

 

 

 

 一方で1番人気に支持されていたナムラクレアは⑤着。枠順的に内でレースを運ぶのは必然で、直線は最内を突いて他馬と接触するシーンもありましたが、そこから伸び切れなかったのは休み明け緒戦だった影響もあるでしょう。力を出し切っての敗戦ではありませんし、次の本番が真価を問う一戦になりそうです。3番人気で⑪着に終わったエトヴプレは直線でナムラと接触しましたが、53キロの斤量を考えると粘りは案外。ただ、今回が年長馬と初対戦で後続の目標になる展開でもありました。個人的にはベストは1400mかも、という気持ちもあるので適距離、例えばスワンSあたりに使ってきた際には改めて注目したいと考えています。

 

 

 

text by 五十嵐 友二

 

 

  

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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