9月29日(日曜)に中山競馬場で行われた第58回GⅠスプリンターズS(芝1200m・3歳以上・定量・曇り・良馬場)はルガル(9番人気)が優勝。管理する栗東・杉山晴紀調教師はスプリンターズSは初勝利。騎乗した西村淳也騎手は嬉しいJRA GⅠ初勝利となた。ルガルは北海道浦河町三嶋牧場の生産馬。馬主は江馬由将さん。

 

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

 

 

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【展開・ペース】 注目が集まった先手争いはピューロマジックが抜群のダッシュ力を生かしてハナを奪取。主導権を握ってからもピューロマジックはラップを緩めず、前半の3ハロン通過は32秒1という超ハイペース。2番手以降はポツンポツンと離れ、馬群は縦長に。3番手だったルガルがベストポジションだったと考えていいでしょう。

 

 

 

 

【レース分析】 ルガル(9番人気)は出走が高松宮記念以来なのを感じさせない体の張り。歩様もなかなか力強く、上々の仕上がりに映りました。超の付くハイペースを積極的に追いかけながらも、行きっぷりは抜群。結果的に、後続の仕掛けを待つことなく、厳しい流れの中、自ら勝ちに動いた西村淳也騎手のエスコートも絶妙でした。ラスト100mでピューロマジックを捉えると、最後はウシンマカオ以下の追い上げを退けて快勝。高松宮記念で1番人気に支持された実力馬であり、膝の骨折により、戦列を離れていたわけですが、陣営の仕上げも完璧でした。

 

 

 

 「騎手生活をしていて良かったです。杉山晴先生、スタッフ、関係者の方々が一生懸命馬を作って下さいました。高松宮記念で悔しい思いをしたので勝てて良かったです。迷惑をかけたのにスプリンターズSの依頼をいただきました。高松宮記念は1番人気で不甲斐ない結果だったので、今日は本当に幸せです。競馬のことは何も覚えていません。女手ひとつで育ててくれた母に感謝していますし、たくさんの方に支えてもらい、感謝する方が一杯です。GⅠを勝っていない騎手にGⅠを勝たせてくれたことがルガルの強みです。ルガルの関係者に感謝しています」とレース後に西村淳也騎手はコメント。昨年のスプリンターズS覇者、今年の高松宮記念の①②着馬、更に香港からの遠征馬2騎を負かしてのGⅠ制覇は価値大。今後、短距離戦線を牽引してもらいたい、またそれが叶う逸材です。

 

 

ルガルの4代血統表

 

 

 トウシンマカオ(5番人気)は中2週のローテーでもハツラツした動き。状態、気配は良かったですね。内枠を生かし、中団のインを追走。今日の馬場傾向を踏まえ、最後までインにこだわり、懸命に差を詰めてきましたが、もうあと一歩だけ届きませんでした。ナムラクレア(4番人気)は馬体をふっくらと見せて軽快な脚捌き。各馬がインに殺到するなかで、ポジションを取り切れず、後方に下げざるを得ませんでした。外へ持ち出し、直線に向くと猛然と伸びてきただけに、あと1列前で運べていれば結果は違ったかもしれません。

 

 

 

 ママコチャ(2番人気)は体重の数字こそ変わっていませんでしたが、前回より体が締まり、上積みは感じられました。いいポジションと取れたように見えましたが、実質、4番手以降は平均ペース。スパッと切れるタイプではありませんから厳しい流れのなかでも、②、③着馬とは瞬発力の差が出た印象です。ウインマーベル(7番人気)は前哨戦をパスし、スプリンターズSに直行。それでも、きっちり仕上がっていました。トウシンマカオとほぼ同じポジションを進み、やはり内にこだわった乗り方。脚は見せたものの、最後は伸び負けて⑤着止まりでした。サトノレーヴ(1番人気)は馬体に重厚感があり、脚捌きはパワフル。なんといってもスタートの出遅れが痛恨。しかも、これまで経験したことのないハイペースとなって脚も溜まり切らなかったようです。今日の敗戦を糧とし、一段とパワーアップしてほしいですね。

 

 

 

text by 京増 真臣

 

 

  

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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