9月2日(土曜)に札幌競馬場で行われた第58回GⅢ札幌2歳S(芝1800m・2歳・曇り・稍重馬場)はセットアップ(単勝3番人気)が優勝。管理する美浦・鹿戸雄一調教師、騎乗した横山武史騎手ともに当レースは初勝利。セットアップは北海道新ひだか町フジワラファームの生産馬。馬主は嶋田賢さん。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

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【展開・ペース】 戦前の見立て通り、他の逃げて勝ってきた馬が折り合いを優先したのでセットアップが単騎でハナに立ち、稍重だったこの日の馬場を考慮しても5ハロン62秒1は緩い流れ。ただ、そこから先頭がペースを上げたことによって、2番手以降は少し離れて追い上げにくい感じになり、あまり外が伸びない馬場状態も影響してか、差しタイプには出番がありませんでした。

 

 

【レース分析】 勝ったセットアップ(3番人気)は中1週でも体重が2キロ増で気配も良く映り、パドックも非常に落ち着いた雰囲気でスムーズに周回。レースでは鞍上が迷うことなくハナに立ち、道中のペースメークも完璧で、後続に影を踏ませませんでした。

 

▲後続を4馬身離して鮮やかに逃げ切ったセットアップ

 

 「テンションが上がりやすいところはありますが、性格が素直で操縦しやすいですね。馬場が悪かったので、内か外か(コース取りを)迷いましたが、ダートでも走れそうな馬ですから、力を信じて内を突きました。ここまで離すとは思いませんでしたが、距離的には2000mよりは1600mの方がいいでしょうね」とレース後に横山武史騎手はコメント。勿論、馬場状態や展開が味方し、鞍上の好騎乗もあってのGⅢ制覇ですが、逃げて上がり最速で後続に4馬身差ですから、馬自身の能力が高いことも間違いのないところ。昨年の勝ち馬と同様、2戦目に優秀な時計で初勝利を挙げて、ここがデビュー3戦目で、他の有力馬よりキャリアが1戦多いアドバンテージもありましたし、今後の2歳重賞に向けても経験の重要性を感じさせる結果にもなりました。

 

セットアップの4代血統表

 

 ②着が本紙で◎にしていたパワーホール(4番人気)。2番手で折り合う形は当初から想定していた通り。勝負どころからも勝ち馬を無理に追いかけなかったことが連対確保につながりました。ただ、初戦は終い2ハロンを速い数字で駆けていた馬ですから、前との差を詰められなかったのは馬場状態の影響とも考えられます。鋭さを要求される舞台に替わった際にどんな走りを見せるか、楽しみな面もあると思っています。③着ギャンブルルーム(2番人気)は想定していたよりも積極的な立ち回りで、3~4コーナーも上位2頭より馬場の外を回る形。最後は流れ込むような格好でしたが、初戦は上がり33秒台の末脚で突き抜けた馬ですから、馬場に決め手を殺がれた面も。むしろ資質の高さを示したと見ることも可能でしょう。

 

▲2年前、4馬身差をつけて勝ったジオグリフは翌年、皐月賞を制覇。セットアップにも大舞台での活躍が期待される。

 

 ④着マーゴットソラーレ(6番人気)も初戦は逃げ切りでも一本調子な印象がなかったので、好位に控えても折り合えたのは予想通り。直線も渋太く伸びていましたから、今後は時計の速い馬場への対応がポイントでも、常にマークが必要なタイプといえます。一方、1番人気に支持されたガイアメンテは⑥着。パドックからイレ込み、スタートで後手を踏むなど若さがモロに出てしまいましたが、それでも、勝負どころで追い上げてきた時は②着には、と思わせるくらいの勢い。かなりロスのある競馬でしたし、真価が問われるのは次走以降と考えていいでしょう。

 

   

text by 五十嵐 友二

 

 

 

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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