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第170回 天皇賞(秋) 回顧

 

 

 10月27日(日曜)に東京競馬場で行われた第170回GⅠ天皇賞(秋)(芝2000m・3歳以上・定量・曇り・良馬場)は2番人気に支持されたドウデュースが優勝。管理する栗東・友道康夫調教師は当レース初勝利。騎乗した武豊騎手は通算7勝目となった。ドウデュースは北海道安平町ノーザンファームの生産馬。馬主は(株)キーファーズ

 

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

 

 

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【展開・ペース】 ホウオウビスケッツがハナを主張。同型が控えたことで、1000通過は59秒9というスローペース。逃げたホウオウビスケッツが③着に踏ん張ったように、先行タイプに有利な展開となりました。

 

 

 

【レース分析】 パドックでは体が少し立派に映ることが多いドウデュース(2番人気)。しかし、今回は体をスカッと見せており、馬場入場の際も弾むような動き。素晴らしい仕上がりでした。折り合いを重視した後方待機策。ゆったりしたペースなのを分かっていながら末脚に賭ける戦法を取れたのはドウデュースを知り尽くす武豊騎手だからこそ。直線は迷わずに外に持ち出すと豪快に突き抜けてゴール。マークした上がり3ハロンは32秒5。リズムを重視し、上手に我慢させて極上の切れ味、瞬発力を引き出しました。

 

 

 

「今日は腹を括って、ラストの脚に賭けるレースを。ペースは遅かったけど、これしかないと思って騎乗しました。最後は何とか届いてくれと思いましたが、この馬本来の末脚を使ってくれたので大丈夫だろうと。毎回結果を出せる馬ではなく、僕自身うまくエスコートができなかったレースもあるだけに、今日は絶対に結果を残すと強い気持ちで挑みました。またドウデュースと勝てて嬉しいし、改めて強い馬だと感じました。残り多くて2戦になりますが、この馬のパフォーマンスを発揮して、いいラストシーズンにできれば」とレース後に武豊騎手はコメント。これで2歳時から4年連続でのGⅠ制覇を達成。ラストランのその瞬間まで目が離せません。

 

 

ドウデュースの4代血統表

 

 

タスティエーラ(9番人気)は馬体が増えて成長。活気も感じられ、復調ムードにありました。好位を追走し、直線に向いてリバティアイランドの外に出すと最後はドウデュースと連れるように伸びて②着争いを制しました。日本ダービーを勝っていましたが、中距離でスローペースの瞬発力勝負に対応できたように収穫の大きいレースでした。ホウオウビスケッツ(8番人気)は2人引きでも堂々として落ち着きが感じられました。4歳秋を迎え、馬体に芯が入って力強さがアップ。後続のマークも緩く、マイペースの逃げを打てました。直線で先行勢を寄せつけずに見せ場は十分。最後は2頭の瞬発力に屈しましたが、完璧なレースができました。

 

 

 

ジャスティンパレス(6番人気)はディープインパクト産駒らしい均整の取れた造り。馬体に無駄肉がなく、身のこなしも滑らか。上々の仕上がりに映りました。今回もスタートがゆっくりで、そのまま後方を進む形を選択。結果論ですが、馬群の中を突かずに、勝ち馬のように外に出していたらなら、もっと差は詰まったかもしれません。マテンロウスカイ(12番人気)はテンションが上がらず、体が締まって上積み十分。横山典弘騎手らしく、インにこだわった乗り方で、直線もジワジワ脚を使っていました。リバティアイランド(1番人気)は昨年のジャパンCより馬体重が22キロ増でしたが、ひと回り大きくなり、成長分といえるものでした。ジワッとポジションをあげ、4コーナーでは3番手。勝ちパターンに映ったのですが、そこから伸びあぐねてしまいました。意外と言える敗戦。その原因を特定するのは難しいですが、久々の実戦を経験し、出走を予定されるジャパンカップでの巻き返しに期待したいところです。

 

 

 

text by 京増 真臣

 

 

  

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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