3月8日(土曜)に中山競馬場で行われた第43回GⅢ中山牝馬S(芝1800m・4歳以上・ハンデ・曇り・良馬場)は3番人気に支持されたシランケドが優勝。管理する栗東・牧浦充徳調教師、騎乗したM.デムーロ騎手は当レースは初勝利。シランケドは北海道新ひだか町下河辺トレーニングセンターの生産馬。馬主は(株)ニッシンホールディングス

 

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

 

 

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【展開・ペース】 互角のスタートを決めた軽量のペイシャフラワーが気合をつけてハナに立つと、1コーナーに入るまでに後続も隊列が決まって平均ペースに。ただ、道中は終始、前が2番手以降に2馬身程度の差をつけていましたから、後続集団はどちらかというとスローに近い流れ。朝は稍重だった芝コース(5Rには良に回復)にしてはレース上がりも35秒7と速くなり、早めに動ける機動力&決め手の鋭さを求められる展開になりました。

 

 

 

 

【レース分析】 勝ったシランケド(3番人気)はスタートを五分に出ると鞍上が促して中団の外めをキープ。3コーナー手前から徐々に追い上げ、直線入り口では前を射程圏に入れると、そこからも手応え通りに力強く伸びて、すぐ横にいた②着馬との追い比べを制しました。

 

 

 

 

「先週(中山記念②着)のリベンジができて嬉しいです。スタートが決まって、いいポジションが取れましたし、ラストの場面でもしっかりと伸びてくれました。激しい気性ですが、落ち着いて臨めれば、高いパフォーマンスを発揮してくれるんです。昨年はエリザベス女王杯に向かう過程で調子が下降線になり、使うことができませんでしたが、そういう舞台でも活躍が期待できる能力レベルにありますよとレース後にM.デムーロ騎手はコメント。◎に推した本紙が睨んだ通り、登録のあったエリザベス女王杯や中日新聞杯を自重し、今期に備えてきた成果がいきなり出ましたし、今回の勝ち時計が地味なのも、馬場状態や実質、スローに近い流れが影響した可能性があります。先行策も取れて、控える形なら道中で動ける自在性、更に仕掛けてからの反応の速さも備えていますから、相手が強くなっても楽しみな馬であることは間違いありません。

 

 

シランケドの4代血統表

 

 

 ②着ホーエリート(8番人気)は勝ち馬の一歩前に位置して、スパートするタイミングも、こちらの方が早め。その割に並ばれた時の手応えは劣勢で、直線では少し外から寄られるシーンもありましたが、最後まで食い下がりアタマ差の惜敗。切れるというより長く脚を使える印象で、中山コース、今回の馬場もぴったりでしたが、過去最高だった前走(3勝クラスV)の体重を維持していたように、明け4歳で充実期を迎えましたね。速い時計の決着や瞬発力勝負に課題は残りますが、適した舞台なら重賞制覇は視野に入っています。③着クリスマスパレード(1番人気)は少し離れた2番手で、位置取りとしては理想的に見えましたが、粘りの方は今ひとつ。初めての1800mで、トップハンデも背負っていたことも詰めを欠いた要因と考えられますが、この馬は緩めの流れより、もう少しスピードの持久力を求められる消耗戦の展開の方が合う印象も受けました。

 

 

 

 

 ④着のビヨンドザヴァレー(7番人気)は内枠を生かして、道中はインで脚をためる形。勝負どころで①②着馬が仕掛けた時にも内で動かず、直線を向いてから外に出して、伸びてきました。初めての1800mに対応できたのは緩めのペース+上手な立ち回りの結果ですが、ゴール前でも脚勢は鈍っておらず、本来はマイルがベストなのか、中距離も守備範囲なのかは、今後のレースぶりで確かめたいと考えています。また、2番人気で⑧着のミアモーレはスタートでアオって2馬身くらい遅れ、直線でも進路が開かずに不完全燃焼。今回も身上である一瞬の切れを生かせませんでした。勿論、力負けではありませんが、改めてゲートに課題であることも浮き彫りになりました。

 

 

 

text by 五十嵐 友二

 

 

  

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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