5月9日に新潟競馬場で行われた第43回GⅢ新潟大賞典(芝2000m・外回り・4歳以上・ハンデ・晴れ・良馬場)はサンレイポケット(単勝3番人気)が横一線の叩き合いからグイッと抜け出して優勝。騎乗した鮫島克駿騎手、管理する栗東・高橋義忠調教師とも当レースは初勝利。サンレイポケットは北海道様似町・様似協栄牧場の生産馬。馬主は永井啓弐さん。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

▲新潟大賞典のレース映像はこちらをクリック

 

【展開・ペース】 戦前の予想通りマイスタイルが主導権を握り、バスカヴィルが促して2番手をキープ。後続は折り合いを優先しているように見えましたが、マイスタイルは馬の行く気に任せたかのような逃げで、前半5ハロン通過が57秒1のハイラップ。離れた2番手以降も遅いペースとはならず、荒れた馬場状態も重なってラストの1ハロンは13秒3。決め手の鋭さよりも末脚の持久力、スタミナが問われる展開となりました。

 

▲骨盤骨折という大ケガを乗り越え、重賞タイトルを手にしたサンレイポケット

 

追い比べの末に待望の重賞制覇

【レース分析】 ゴール前で5頭による接戦を制したのが、当日版で本紙の本命に推していたサンレイポケット(単勝3番人気)で、馬場状態を考えるとギリギリに思える内めを突いた鞍上の好騎乗、ハンデの妙などもあって、前2走で先着されていた②着馬を逆転しました

「ペースが流れていたので、リズムを大事に進めました。馬場を考えても流れが速いと思ったので、前を深追いはしませんでした。前半から他の騎手の意識が外にあったようなので、内が開くと思っていましたし、力のいる馬場もこなせるので、内を突きました。混戦だったので追い負けないように馬を鼓舞しましたが、勝てて良かったです」とレース後に鮫島克駿騎手はコメント。左回り、荒れた馬場への適性の高さは勿論、昨年の秋にGⅡ毎日王冠で③着など、地力の裏づけもあった馬ですから、今後も適条件なら、相手が強くなってもマークが必要な存在といえます。

 

サンレイポケットの4代血統表 ジャングルポケット産駒による平地芝重賞勝ちは2015年函館記念(ダービーフィズ)以来

 

安定度の高さ光るポタジェ

 ポタジェ(1番人気)はあと一歩のところで重賞初Vに手が届きませんでしたが、デビューから1度も馬券圏内を外していない堅実さは存分に示して連対を確保。3歳時よりひと回り成長した馬体も維持していて、充実ぶりが目立ちます。③着のサトノソルタス(7番人気)は大外枠から、上位2頭よりも前でレースを運んでクビ+クビ差の惜敗。昨年のGⅡ金鯱賞②着などの実績は伊達でなく、こちらも勝ち馬と同様、左回りの2000mがベストの印象も受けました。

 

▲新潟外回りの長い直線を使っての攻防。ハンデ戦らしく、最後は僅差の争いとなった。

 

 当レースの連覇を目指した④着トーセンスーリヤ(9番人気)は昨年と違い、春の新潟が連続開催になったことで馬場が荒れ、その状況だと2000mは微妙と見て印をつけませんでしたが、一旦は先頭に立って勝ち馬と0秒1差。改めて地力強化を感じましたし、少なくとも平坦コースなら、この距離も問題ないようです。2番人気で⑤着に終わったボッケリーニも結果的に見ると、タフな流れの消耗戦だと2000mは少し長かった感じ。ただ、全兄のラブリーデイは5歳になってからGⅠを2勝して、距離の守備範囲も広げましたから、今後の成長次第の面もあるでしょう。また、最下位まで後退したマイスタイル(8番人気)は、距離を詰めてきたら、大きく変わりそうな気がしています。

 

 

                          

text by 五十嵐 友二

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

【データ泣き笑い】

〇前走クラス・・・馬券に絡んだ3頭の前走を見ると、勝ち馬はGⅡ⑥着、②着馬はGⅡ③着、③着馬はGⅡ⑤着。いずれも前走がGⅡ(着順不問で狙える)なので条件をクリアしていた。

〇前走コース・・・過去5年でほとんど結果が出ていなかった前走中京組がワンツースリー。このデータで取捨を決めてしまったことを悔いる結果となった。

〇準OP組・・・近年、好調だった前走準OP組だが、今年は⑥⑩着と掲示板にすら載れなかった。ハンデ戦でもあり、なかなか掴みどころがなくて難解。来年以降も、当コラム執筆時は頭を悩ませることになりそうだ・・・。

 

 

 

 


 
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