3月29日(土曜)に中山競馬場で行われた第73回GⅡ日経賞(芝2500m・4歳以上・別定・曇り・稍重馬場)は2番人気に支持されたマイネルエンペラーが優勝。管理する栗東・清水久詞調教師、騎乗した丹内祐次騎手とも当レースは初勝利。マイネルエンペラーは北海道新冠町ビッグレッドファームの生産馬。馬主は(株)サラブレッドクラブ・ラフィアン

 

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

 

 

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【展開・ペース】 外枠でもスタートを決めたバビットが大方の予想通りハナに立ち、内からマテンロウレオ、外からリビアングラスが続く形。隊列が決まると、すぐに流れが落ち着いて、前半は淡々と推移。ペースUPしたのは残り6ハロンあたりからで、全体的には外を回った差し馬には分が悪く、前めで流れに乗れる機動力か、内を通っても伸びるだけの道悪への適性の高さが求められる展開になりました

 

 

 

 

【レース分析】 勝ったマイネルエンペラー(2番人気)は鞍上が気合をつけて好位を取ると、馬群の外めでも行きたがる感じはなく、折り合いは非常にスムーズ。終始、前を見るポジションで、勝負どころからの反応、手応えは決して良くありませんでしたが、ジョッキーのアクションに応えるように伸び始めると、直線で抜け出してからも脚勢は鈍らず、後続の追撃を振り切りました。

 

 

 

 

「初騎乗でしたが、乗りやすいと聞いていたので、特に不安はありませんでした。4コーナーで先頭、あるいは、いつでも動ける位置にいようと考えていましたが、思ったより早く前めを取れましたし、問題なく運べました。こういう馬場も得意ですが、力をつけているんだと思います。もっと上のレースでも勝負になりますとレース後に丹内祐次騎手はコメント。前走の日経新春杯③着は時計やメンバーを考えてもレベルの高い内容で、同じだけ駆ければ勝ち負けになると見て、自分が当日版で◎にしていた期待通りの走り。タフな馬場状態も歓迎といる血統、過去のレースぶりでしたからね。今回は道悪の恩恵もあったので、次走が天皇賞・春で鋭さも要求される良馬場だと何とも言えませんが、時計を要す馬場でスタミナ比べになれば、再び台頭しても不思議はないでしょう

 

 

マイネルエンペラーの4代血統表

 

 

②着チャックネイト(5番人気)は互角のスタートから中団、勝ち馬の少し後ろに位置し、こちらは馬群の中で折り合いに専念。他馬が動いた時も外に持ち出すことはせず、直線では内めに進路を取ると、しっかりと脚を伸ばしました。この馬も道悪を味方にしたクチですが、初騎乗ながら馬の持ち味を生かしたモレイラ騎手の手綱捌きはさすがの一語。近走内容が今ひとつだったので、無印にしてしまった自分の甘さを痛感しました。③着のアーバンシック(1番人気)は有馬記念以来の出走でも仕上がりは良く映り、道中の手応えも十分でしたが、直線では同じ中山でセントライト記念を制した時のような決め手は使えませんでした。②着馬とは直線で内、外の進路取りの差もありましたが、やはり明暗を分けたのは上位馬との道悪の巧拙の差でしょう。それでも馬券圏内は確保しましたし、春緒戦としては及第点の内容といえます。

 

 

 

 

 ④着リビアングラス(6番人気)は稍重で好走歴があるので馬場自体は不問、ただ、フットワークが大きいので同じ道悪でも中山だと、どうかと見ていましたが、鞍上は最初から馬場のいい外を走ることを意識していたようで、積極的に先行して上々の粘り。一時の不振は完全に脱したようです。以下で次走以降に巻き返しがありそうなのが3番人気で⑧着だったマテンロウレオ。序盤から横山典弘騎手らしい、好位のインでロスなく運ぶ完璧な立ち回りでしたが、道中で少し馬場に脚を取られているような感じも。稍重の天皇賞・春で⑤着歴がありますが、本質的には良馬場が理想で、急坂のある中山で道悪だと勝手が違った印象。力負けとは考えない方がいいでしょう。

 

 

 

text by 五十嵐 友二

 

 

  

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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