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優駿牝馬 レース回顧

敗戦を糧に、再び女王の座へ

 2017年5月21日(日)2回東京10日11R 第78回優駿牝馬(GⅠ)は、1番人気に支持されたソウルスターリング(父フランケル×母スタセリタ)が優勝。昨年、阪神ジュベナイルフィリーズを制した2歳女王が桜花賞の敗戦を乗り越え、クラシックのタイトルを獲得。ソウルスターリングに騎乗したC.ルメール騎手、藤沢和雄調教師とも優駿牝馬は初制覇。またソウルスターリングの母スタセリタは現役時代、ルメール騎手を背にフランス・オークスを無敗のまま制覇。娘は無傷とはいきませんでしたが、母の背を知る鞍上に導かれての優駿牝馬(オークス)制覇となりました。

それでは、レースラップです。

勝ち時計 2分24秒1 前・中・後半4F 49秒748秒745秒7

12.7 – 11.6 – 12.8 – 12.6 – 12.0 – 12.3 – 12.3 – 12.1 – 11.6 – 11.3 – 11.2 – 11.6

 

 好天が続いて東京芝コースは非常に時計が出やすいコンディションでした。前週のような内を避けて通るようなシーンが見られず、先行勢とインを通った馬が活躍。レースはフローレスマジックがハナを主張し、ミスパンテールが2番手を追走。1コーナーを回って隊列が決まるとペースが緩み、前半5F通過は61秒7。過去10年でも最も遅く、馬場の傾向も相まって外を回ったり、あまり位置取りが後ろ過ぎると厳しかったように思います。

 勝ったソウルスターリングは内の3番手を追走。遅い流れでも自分との闘いに打ち勝ち、しっかり折り合っていました。直線に向くと馬場の真ん中へ持ち出し、グングン伸びて先頭。モズカッチャンが内から迫りますが、ゴール前ではこれを突き放す強い内容。距離不安が囁かれましたが、正攻法で完勝。勝ち時計はジェンティルドンナが勝った12年に次ぐ歴代2位の好記録。また着差の開きづらいスローペースだけに2着に0秒3差をつけた点も評価できます。

 2着モズカッチャンは勝利を収めたフローラSと同じ1番枠。レース運びもその前走と同様に内ラチ沿いをロスなく運びました。3~4コーナーでジワッと加速し、ソウルスターリングの背後に接近。直線半ばでは勝ち馬に並びかけ、一旦は前に出るシーン。3着を2馬身半引き離した点も立派です。長所である立ち回りのうまさを生かしてGⅠでも好走できることを証明し、秋が楽しみになりました。

 アドマイヤミヤビは16番枠の分、内に潜り込めず、道中は終始馬群の外目を追走。流れも落ち着きましたからこの距離ロスが応えました。それでも、残り1Fを過ぎてから鋭く伸びて3着まで浮上。桜花賞は人気を裏切りましたが、やはり決め手、能力は世代でもトップクラス。

 ディアドラは内でジッと我慢し、直線で前が開くと渋太く脚を伸ばして4着。力を示しました。リスグラシューは道中で少し行きたがったのと4角、直線と内、外からプレッシャーを受けてゴチャついた影響が大きかった印象。桜花賞馬レーヌミノルは13着。折り合いがついた割に伸びなかったあたりは距離が長かったということでしょうか。

 
text by 藤原

 

 

 

  ※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。