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第59回 スプリンターズS 回顧

 

9月28日(日曜)に中山競馬場で行われた第59回GⅠスプリンターズS(芝1200m・3歳以上・定量・晴れ・良馬場)は11番人気のウインカーネリアンが優勝。管理する美浦・鹿戸雄一調教師、騎乗した三浦皇成騎手ともスプリンターズSは初勝利。ウインカーネリアンは北海道新冠町コスモヴューファームの生産馬。馬主は(株)ウイン

 

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

 

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【展開・ペース】 好スタートからジューンブレアがハナに立ち、これを大外枠だったウインカーネリアンが追いかけて2番手を確保。ママコチャサトノレーヴあたりが控えたことで、隊列はすぐに決まりました。開催最終週を迎えても中山の芝コースはインを通った馬と、先行タイプが有利。行った行ったの結果になっても不思議のない設定ではありましたが、GⅠで前半3ハロン通過が33秒7というスローは想定外でした。

 

 

【レース分析】 ウインカーネリアン(11番人気)は8歳でも心身ともに若々しく、状態は良く映りました。大外枠からスタートを決めて2番手を確保。4コーナー付近からは逃げたジューンブレアと後続を離してのマッチレースに。三浦騎手の気迫溢れる叱咤に応え、熾烈な競り合いを制し、人馬ともに嬉しいGⅠ初勝利となりました。

 

 

「この馬とずっとコンビを組ませていただいて、この馬の一番走れるリズムは自分が一番知っていると自信を持っていましたし、枠順に関係なく、とにかくこの馬の一番走れるリズムだけを考えていました。直線はカーネリアン頼む、とそれだけでしたが、この馬とのいろいろなことが頭に浮かんできて、8歳という年齢でチャンスも少なくなっていましたし、何とかここは意地でも勝たせてあげたいとそれだけで追っていました。中央での初GⅠ制覇がお世話になっている鹿戸先生というのが一番良かったです」三浦騎手はレース後にコメント。7歳にして初めての芝1200m出走となった昨年の高松宮記念が④着。更に今年はドバイ・メイダン競馬場で行われたGⅠアルクォーツスプリントで②着。そんな実績馬が11番人気という低評価を覆し、見事にGⅠ制覇。大外枠の不利を帳消しにする三浦騎手の積極的なリードも勝利を引き寄せた要因と言えます。

 

ウインカーネリアンの4代血統表

 

ジューンブレア(7番人気)はいくらかテンションは高かったものの、発汗はなく、力は出せる状態。内枠に入った先行タイプは行く気がなく、スッとハナを奪った武豊騎手はさすがでしたね。僅かに競り負けましたが、うまく展開を作って②着に好走しました。ナムラクレア(2番人気)は馬体にボリューム感があり、ハツラツとした周回。上々の仕上がりでした。脚をためて後方待機策。昨年と同様に最後は目立つ伸び脚でしたが・・・。マークしていたサトノレーヴは負かしたものの、前2頭には追いつくことは出来ませんでした。

 

 

1番人気に支持されたサトノレーヴは重厚感があって歩様はパワフル。パドックでは迫力満点の周回を見せていました。今年はスタートが決まったものの、結果的にポジション取りに動くべきでした。総合力では上回っていても、スピードや瞬発力で他を圧倒するわけではありませんからレースプランが大事でした。ヨシノイースター(14番人気)は馬体が締まり、今季2戦目で上積みが感じられました。内枠を存分に生かしたレースができましたね。③着とは僅差でしたから今後は重賞制覇のチャンスがありそうです。ママコチャ(3番人気)は少しうるさいくらいで気力旺盛。馬体も締まって気配は申し分ありませんでした。ライバルのサトノレーヴを意識し過ぎたポジショニングに。いいスタートを切ったわけですから、ハナに立つぐらいのつもりで積極的に運んでほしかったですね。瞬発力勝負ではやや分が悪く、最後は伸び負けてしまいました。

 

 

 

text by 京増 真臣

 

 

  

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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