7月16日(日曜)に函館競馬場で行われた第59回GⅢ函館記念(芝2000m・3歳以上・ハンデ・曇り・稍重馬場)は単勝1番人気に支持されたローシャムパークが優勝。管理する美浦・田中博康調教師、騎乗したC.ルメール騎手ともに当レースは初勝利となった。ローシャムパークは北海道安平町ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)サンデーレーシング

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

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【展開・ペース】 先手候補の1頭と思われたテーオーシリウスが外枠だったせいか、何が何でもといった雰囲気ではなく、内からユニコーンライオンが主導権を握りましたが、前日よりは回復したとはいえ、稍重のタフな馬場状態で2ハロン目が11秒2。その後も最も遅いところが12秒5ですから終始、緩みのない流れ。全体の時計は地味に映りますが、最後まで12秒台前半のラップが続いたのは立派ですし、スタミナ、地力が問われる見応えのある消耗戦となりました。

 

 

【レース分析】 勝ったローシャムパーク(1番人気)は中山、東京の関東圏以外でのレースが新潟でのデビュー戦以来でしたが、6キロ減の体重ですっきりとした体つき。パドックは2人引きで若干、テンションも高めでしたが、レースではスタンド前が少し行きたがる感じでも、中団につけると向正面では折り合いもスムーズに。勝負どころから鞍上が軽く促すと4コーナー手前ではゴチャつくことのない馬群の外に持ち出し、この馬らしい大きなフットワークで力強く抜け出してきました。

 

 

 「ミドルポジションで運べて、冷静に走ってくれました。3~4コーナーからいい脚を使ってくれましたね。こういう馬場でもいい反応でしたし、早めに抜け出して完勝でした。4歳でも大きな馬で、これからどんどん良くなると思います」とレース後にC.ルメール騎手はコメント。戦前は道悪と小回りコースへの対応がポイントになると見ていましたが、馬場状態は稍重まで回復していましたし、小回りについては鞍上も意識していたようで、敢えて馬群の外を回る大味なレースをしたことが、馬の能力を存分に発揮できる結果につながったと考えられます。それにしてもハンデ戦で②着に2馬身差は決定的で、GⅢではモノが違うと言わんばかりの勝ちっぷりでしたし、秋には更に上の舞台でも主役を務められる可能性を感じさせました。

 

ローシャムパークの4代血統表

 

 ②着のルビーカサブランカ(4番人気)は互角のスタートから、すぐに馬群の内に進路を取り、道中は勝ち馬と前後するような位置取り。終始、手応えも良く、そのまま最短距離を追い上げて、最後まで渋太く脚を伸ばしました。休み明けの巴賞を叩いてパフォーマンスアップは戦前の期待通りでしたし、内を突いて好走するケースが多い馬の特性を生かした鞍上の立ち回りも完璧。勝ち馬には完敗でしたが、6歳牝馬でも能力の衰えがないことは改めて確認できました。そして③着が本紙で◎にしていたブローザホーン(2番人気)。後方待機は少し意外でも、道中の走り自体はスムーズで、十分に脚がたまっていたので勝負どころから内を追い上げてきた時の勢いもありました。ただ、直線を向くと一旦は馬群の中を突いて前が詰まり、内に切り替えるロスがあって②着とはハナ差。スムーズなら、と惜しまれる結果でしたが、地力強化、本格化を見込んだ予想は間違っていなかったようです。次走以降は重賞で正攻法の競馬をした時に、どんな走りを見せてくれるかが楽しみです。

 

 

 ④着のマイネルウィルトス(10番人気)はスタートが今ひとつで、最後方から勝ち馬と同様に、馬群の外を回る競馬に。発馬で後手を踏んだのは昨年②着時も同じなので仕方ありませんが、丸1年ぶりの実戦で少し馬体に余裕もありながら、外から上がり最速で伸びて②着と小差は立派の一語。道悪巧者だけに土曜の馬場だったら、というのも正直な感想です。以下で次走以降につながりそうなレースぶりだったのが⑥着のアルシナーム(6番人気)で、初めての2000mだと折り合いが?と見てシルシをつけませんでしたが、外枠から好位につけても、あまり掛かる感じはなく、最後も4コーナーでの手応え以上に踏ん張って、ジリジリと伸びていました。良馬場でためが利くと切れる印象もありますし、今後の動向を注視したいですね。終始、積極的な立ち回りを見せて⑪着のヤマニンサルバム(11番人気)も、得意の左回りに替われば見直しが必要でしょう。

 

   

text by 五十嵐 友二

 

 

 

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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